- アイディアのレッスン (ちくま文庫)
- 発売日: 2010/02/09
[23/63]BookOff
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆
知識を習得する行動=利子型、に対し、新しいことを創造していく行動=投機型に求められるもの。その行動を取り巻く環境の現状。それらのキーワードとなる「アイディア」を創出するには?というテーマ。これまでの学校教育(大学も含め)は「利子型」であり、環境もこちらの「型」を重視する傾向にあった。これは不要というわけではないが、それを以てどう活かすか、それをベースにして何を生み出していくか、という「投機型」については、これが重要性を増していることは明らかではあるが、環境的にはそれを「低価値」に見る傾向も根強い。すなわち、「カタチ」が見えるかどうか、という価値基準に依存している、ということ。「情報」が入手しやすくなる環境、「量」がこれまでになく蓄積される環境になったことで、「人」の価値はやはり「創出」に向かっていく。
さて、その創出されるべき「アイディア」はどうやったら生み出すことができるのか。著者が繰り返し述べているが、これに正解はない。正解に近づくようなスキームが存在するだけだ。そのスキームも「可能性が高い、んじゃないか」レベルでこれが正しいわけではない。依存する場所がないようなフィールドは、「利子型」には慣れていないんだよね。指摘されればそのとおり、です。
この環境や考え方、この本にあるアドバイスを自分なりに理解すると(こーやって「型」にすること自体が誤りかもしれませんが)、前提条件として知識は入れておく、引き出しのバリエーションを増やしておく(直接的に関連のない分野も含めて)、必要な時に引き出せるように引き出しの鍵は緩めに。「必要な時」は、向こうからやってくるので、その時に「必要な時」であることを認識するような感覚を身につけておく。アイディアを(或いはアイディアになりそうな思いつきを)生み出した、と感じたらそれをカタチにできるような肉付けを行う。これらの一連の流れは期限を区切ることはしない(できない)。
これは「感覚」として捉えておくと「自分の」役に立つかもしれない。きっと、後から振り返ってみたときに「役に立った」と感じることができる、そんな流れなんだと思うけれど。この感覚を、キレイに整理できる著者はやっぱり素晴らしいです。これは「才能」か「創造性」かはわかりませんが、多分に後者の比率が高いような気もしますね。
アイディアのレッスン (ちくま文庫)
0 件のコメント:
コメントを投稿