2011/03/13

勢い、は感じるけれども...

『欲しがらない生き方』岬龍一郎
[11/51]BookOff
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★☆☆☆

お金持ちより時間持ち、モノ持ちよりココロ持ち。理想と憧れをもつ生き方だねえ。本書はまさに「お金持ち、モノ持ち」を目指して、それ以外には目もくれなかった著者が、神の啓示か、40歳に患った病気、入院を機に、それ以降どんなふうに考えるようになったか...という話ですね。出だしは、多少読者層が50代以降であることを前提に書かれているような気がしたものの、ソロー『森の生活』の引用や、本当の人生の楽しさ、という「大枠のテーマ」には、十部共感できるし、自分の理想形のひとつの型でもあるわけで。年齢ギャップといえども、そうそう「先」の話でもなかったりして、「これは面白い」。と思っていたが...その後は東洋、西洋の哲学の話が続き、盛り上がりに欠けるような内容でした。
儒教的な思想、そして道教的な思想、ひとつの事象、ひとつの真実ではあるけれども、違う視点から両面から見ることの着眼点、良寛和尚はじめ、「天真」の生き方、「人間の原型」そのものの現れ方等、(簡単な)哲学論はでてくるけれども、されに心酔されているわりには、現実社会で著者が実行されていることの説明はあまり深くない。勉強会や講演活動等、以前の「金もうけ主義」的な仕事の仕方とは異なるんだろうけれども、それらを始めたいきさつ、その時の考え方、等々の話の部分が「薄い」ので、「引退後の出来事」を語っているような気すら感じてしまう...
ひとつ、モノをいくらもっていようと、それがすなわち「幸せ」ではない。これは実感として、強く思う。だから「モノ持ちよりは云々」という主張になるが、これはある一定の「金持ち」「モノ持ち」であることが前提だと思う。一定レベルを超えたモノは不要、それが著者のいう「バランス」であるのだろう。古典に学ぶ、という姿勢は多くの人に見られるけれども、「何を学ぶ」かというのも大事だね。「考え方」のヒントを得て、自分の環境にアレンジする。アレンジするということは「本質」が理解できていないと、ということなのだ。だから(古典を学ぶことは)大事だが、そればかりではない。
ということで、序盤の期待値が後半に向かい、失速する、という「後味」があまりよろしくない展開でございました。

欲しがらない生き方 -高等遊民のすすめ- (角川oneテーマ21 B 121)

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