2011/03/21

挫折を乗り越える意味は高い。たとえ若くなくたって。

『挫折力』冨山和彦
[18/58]bk1
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

挫折をしらずに生きてきた「優等生」よりも、「挫折」を知り、それを乗り越えた経験を持つ方が「リーダー」たりうる...要約すればそんな内容、つまりはタイトルを見た瞬間に想像可能な範囲内であったりする。また、「若いうちの苦労は買ってでも云々」というのも、むかーしから言われていること。だからこのテーマに特別の新しさはないんだよね。
ただ、著者のいうように、「いざというときに勝負ができない」優等生=挫折知らずがリーダーである場合は悲劇を招く可能性が高まるだろう。そして今あるいはこれからの時勢は、まちがいなくこの「いざというとき」が増えるんだろう。だからこそ「挫折(乗り越え)経験」を持つリーダーが待望される、ということだ。
本書はかなりの範囲で「同じことを繰り返し」説いている内容である。すなわち「とことんやりぬくこと」と「捨てる、見切る」ことの2点である。どうも後半は著者自身が「熱く」なっていてしまっているようで、
タイトルの「挫折」という言葉がほとんどみられなくなって、「捨てる」という点、リーダー論、組織論に集中しており、それはそれで身になる部分もある。挫折力、というフレーズと必ずしも一緒の本でなくともいいけれどね。
本人のご経験(司法試験の不合格や、入社1年目で転職など)を例に出されているが、これが「挫折」なのかどうかは、当人の意識次第。ただ、これをなんらかのエネルギーに転換するかどうかが肝。だからその基の物理的な大きさは無関係で、そこから生み出せるエネルギー量、これがポイントなのだろう。ただ、「挫折」のさなかにいる人間は、(それが将来に生み出すエネルギーが大きいほど)一時的にはつらい状態で、これを「ばねにしたるわい!」という意識はなかなか作り出せないだろうなあ。だから(著者が嫌う)「後付け論」で、「あの時あーゆー挫折があったから」的な話は多いんだろうけども。故に、「見切る、捨てる」ことの大事さ、山火事を、木を伐ることで広げない選択、これが現実的にはポイントになろうかと思う。リーダーは大変やねえ...

挫折力―一流になれる50の思考・行動術 (PHPビジネス新書)

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