『頑固な羊の動かし方』ケヴィン・レーマン、ウイリアム・ペンタック
[5/87]BookOff
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なんとなく想像できる範囲だけど、チーム(部下)を羊の群れに、リーダーを羊飼いに例えた「リーダーシップ論」。読み始める前から若干「羊の群れに例える」こと自体に抵抗を感じていたけれど、それを払拭できるような内容ではなかった。
つまりは羊たちを「群れ」としてひとつと考えるのではなく、個々人を承認すること、個々人を愛すること、個々人の性格に合わせた仕事を与えること...そして草に向かうべき道筋を示すのが羊飼い・リーダーである、という、なんとなくもう「読めちゃった」感じの内容から超えられていなかった。
唯一(これも新しいことではないけど)羊たちに信頼され、「そこにいる」ことで安心感を与えることのできるような関係をつくらなければならない、という点は確かにそうだと感じたが、でも(性格悪いけど)うがった見方をすると、「羊のような(本来関係性をもたなくてもすむような)下等な動物であっても信頼関係が必要である」という「上から目線」なのではないか、と思えてもしまう。リーダーを羊ではなく、羊飼い=羊ではなくて人間、という設定にしているからだろう。そこははたしてそういう前提でよいのか、自分としては疑問。まあ、牧羊犬でないことはあきらかだけどね。
あと、「リーダーシップを発揮するためには、自らのリソースをすべてそこにつぎ込むくらいに集中しなければ実現はできない」というのは、同感できた。「人を動かす」(羊を、か?)のは、相当なエネルギー、パワーが必要であることは間違いない。リーダーであることは、自分よりも他人のパフォーマンスを高める、ということを心の底から考えることができなければならない、そうなのかもしれないね。「目標を設定して、範囲を決めたら、その範囲内では自由に動いてもらうこと」が肝要だと説く。あれやこれや口出し
をして「コマを動かす」という考え方をしたらうまくいかない、ってことだよね。
ただ、やっぱりそもそもの設定に疑問を感じることは消えない。羊飼いと羊の群れは、大きな目標を共有することはできないよね。羊は食べるべき草を求め。羊飼いは羊を(最終的に)利用することを求める。そこにズレがあることがリスクになりそうな気がしてさ...
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