2010/06/06

この「ゆるさ」は自分にあってるかも


『しがみつかない生き方』香山リカ
[6/88]BookOff
Amazon ★★★
K-amazon ★★★★

精神科医がモノゴトをどういうふうに見ているのか(著者の個性はあるかとは思うが)、興味津々だった。テレビで見ている限り、「ちょっと偏った」イメージを著者に対して抱いているが、新聞等で見る著者のコメントは客観性や専門性、信頼性を感じさせる、というイメージをもっている。そんな著者の本を初めて読む。
なんとなく「押し付け」感のある著作をイメージしていたが、その先入観は間逆であり、そこには「そんなに肩肘はらずに生きていこうよ。だってみんなそうなんだし」というゆる~い主張があった。これがまた心地よい。(これはちょっと「アクセント」的な意味もあると思うが)最後の章が
<勝間和代>を目指さない
というタイトル。つまりは勝間さんのようになりたい、と強く思うことは、それはそれで大事なことだが、ほとんどの人が<勝間和代>にはなれないわけで、「なれない」となったときに自己否定をしてしまう...だから目指すのはよいし、成功者の本を読むのもいいけど、「それだけ」=「それ以外は失敗」という観点になってはいけない、という内容である。
この「ゆるさ」。これってポイントかもしれない。最初っからこの「ゆるさ」ではいけないんだと思う。まずは「勝間本」に刺激を受ける感受性は必須だろう。これがないとそもそも成長するきっかけがつかめない。んでフェイズ2。ここで「それだけ」に視野を限定することなく、一方で「ゆるさ」を持ち合わせる、というバランス感覚が必要になってくるんだろうと思う。
この本にある、「お金にしがみつかない」「仕事に夢を求めない」は、逆に「フェイズ2」になって初めて生きてくるんではないか。最初っから「しがみつかない」だと違う方向にいってしまうからさー。
つまり勝間vs香山、どちらがよい、という話ではなく、どちらも必要、ということ。
そこまで著者の本意を「読む」ことができると、その文調の爽快感もあって、非常に心地よく読める。
自分でも意外だけど、香山リカのスタイルは結構いいかもしれない。



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