2010/08/11

で、なにか...?という感じが。


『”最終最強”知的生産術』和田秀樹③
[8/130]BookOff
Amazon ★★★
K-amazon ★★


精神科医の和田先生の本、3冊目。これまで読んだものに比べると、「ん?」という感がぬぐえず...タイトルは買った時から時間がたっているせいもあり、すっかり忘れていて、「今」思い出したくらい。内容も、「この本で見つけた!」的なものは見いだせず...といって悪い印象はないんですけどね。
雑誌等の連載記事をまとめて、一部加筆されてできた本だということなんだけど、こういう経緯でできた本にありがちな、同じ主張が何度もでてくる、という現象あり。なんとなく違和感です。著者の本は私くらいの年代には結構身近に感じられるものがあり、「老年精神医学の臨床医」ということもあり、40代の生き方、という点については度々勇気づけられる、参考にできることも少なくない。多少、「先生」の部分が全面に出てきて、「うつ」について結構な枚数が割かれていたり、「うつ」には薬による療法も必要だ、という若干主旨から離れた主張もあり。それはそれ、この年代としては、知識活動、精神活動に対して、「若いころと違う」という意識が少なからずあり、それでも「脳は、必ずしも加齢とともに退化し続けるわけではない」というところに励まされ、一方「40代からは「うつ」の発生が高まる」というところに脅かされ...著者は写真で見る限り1960年生まれとは思えず、精力的に執筆され、また多方面での活動をされている様子に、シンプルに「すごいな」と思う。ご自身の「生き方」なんてものの方が刺激をうけるかもしれない。
一点、「言われてみれば確かにそう」と思えたのは、「能あるタカは爪をかくす」的な行動領域では、今の時代は成功が遅くなる、というくだり。確かに「爪を隠す」方がかっこいい、という空気は、自分が社会に出た頃には残っていたけれども、今はほぼ消滅しているかもしれない。ある程度「できる」ということを主張するべき時代に入ってきているのは事実。また、情報を租借するための知識は、アウトプットによる「練習」が大切、というところも(よく言われることではあるけれども)、うんうん、そうだよね、と納得。
「最終最強」のための本、とはちょっと言い難い。そのために読むべき本の紹介も「?」という感じだし、若干それぞれのテーマの「深さ」が足りず、そして(連載もののまとめ、の宿命だけれども)一貫性が感じらえないので、スムースに読みとおすことができない。最も、著者がお勧めしている「読書法」は、本をすべて読むのではなくて、必要なところだけを熟読すべし、ということなんだけど...自分としてはこれには100%受け入れができず、「全体の構成」のうまさ、を味わうのも読書の楽しみのひとつだと思っているので(小説ではないにしても)、最初から最後まで読む、これは当面は変えないつもり。
まずは、本書に何度も出てきた、「うつ」対策としての肉食、これを実践していこうかな(笑)。

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