2010/08/26

結局何を言いたかったのだろう...?


『貧乏くじ世代』香山リカ②
[21/143]BookOff
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ここ最近、(また)よく耳にするようになった「団塊の世代」。実はこの言葉の定義ってあまり知らないのだけれども、単純に「第一次ベビーブーム」と捉えている。この世代の子供たち、1970年代生まれの人たちは、直前に「バブル崩壊」を目にしており、その直前世代(私が実はそうですが)とのギャップから、「貧乏くじを引いた」という思いが鬱積しているんではないか...世代間の特徴を捉えた?内容。確かにバブル期に就職活動期を迎えた自分たちの代は、今からは考えられないほど「恵まれた」就職活動だった。それなりの学校をでていれば「説明会にいけば内定」というのも大げさではなく、「解禁日」には会社がこぞって「囲い込み」をしたものだ(他社に引き抜かれないように旅行などで囲うという行為)。自分も当日は東京ディズニーランドにシェラトンに泊って...という待遇を受けたことを記憶している。その後社会情勢が一変し、「70年代生まれ」が入ってくると(つまり私よりも3年以上の「後輩」たち)その環境の変化に大いに驚愕し、正直「早く生まれてよかった」と思わなくもなかった。けど、そう思っているのも一瞬で、現実的には、入社時の社会がどうであろうとも、勝負しているのは「今」であり「未来」であるので、「過去」を見てもしょうがないし、ましてやその時の環境や、就職した経緯を考えることはすぐになくなった。これは「いい目を見た」世代だから、なのか?「貧乏くじ」世代は、いつまでその時間を引きずっているんだろう?そもそももう一定の時間が経った今となっては、あまり「年代と就職時の環境」を考慮することもないだろうと思われる(これも勝手ないいぐさなのか?)。だって、大事なのは「今」だからさ。バブル崩壊時の「マイナスのギャップ」とはまた異なるんだろうけど、「今」だって大変な時代。目をむけるべきは「今」「未来」、それしかないよね。
世代間の「評価」ってわりとポピュラーなんじゃないかな、って思う。あと「理由」にしやすい。そりゃあ、10歳以上離れている部下に対して「話があわない」「考え方がわからない」って思うことはある。というかいつも思う。それを「世代間の違い」や「環境」を理由として考えると、確かにしっくりいくんだけど、でもそこから先に何もつながらないんだよね。「就職時の環境が違うから考え方が違う」だからどうしたらいいんだろう?求めるべきは後者の「だから~?」であり、理由なんかどうでもいい。知った上で対処できる「理由」なら見つけるべきかもしれないけれど、「世代間」って埋めようなない「事実」にすぎないし。
...という内容であって、正直面白いテーマではなかったんだけど、精神医の著者の「いい意味での」軽さは助けになって、軽快に読めるのは意外によい読後感。押し付ける口調(文調)でもなく、いい意味で「ゆるい」感じもあり...「読み物」としては「あり」ですね。

本来のテーマとは外れるけど、ひとつヒントを得た部分あり。
視線が下を向くとき、思考や内面も過去に向かっている。この法則を逆にして使う。つまり視線を真正面からやや上方に向ければ、人は自然に、近未来の自分や社会に思いを馳せやすくなる。
これってシンプルで、今できること。やって損がないこと。さすが精神科医だね。この人の本は結構面白いかもだ。

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