2010/08/18

ブーム?


『若い人におくる龍馬のことば』小松成美
[14/136]Library
Amazon
K-amazon ★★★

たまにテレビで見かける著者の本を初めて読む。対象がスポーツ選手が中心だと思っていたのにちょっと意外なほど「龍馬ファン」だそうで...これ以上ない、ってほどドラマチックな生き方をした坂本龍馬の言葉を著者なりに現代語訳した「名言集」である。著者と同じく、以前彼に興味を持った自分は司馬遼太郎『龍馬が行く』を読んだ。感動した。だけれども、世間でよくいう「龍馬ファン」には至らず、「かっこいい人だなあ」レベルでとどまる。なぜかはわからないけど、それ以上の興味を引くことはなかった。ちなみに「歴史上の人物」では、(これも司馬本によるものだが)真田幸村が好きである。こちらは「ぞっこん」だ。
龍馬の「名言」を引用しつつ、彼のひととなり、生きざまをかいつまんで解説。著者は龍馬の生まれた土地、家にも赴き、龍馬を感じているだけあって、それなりのリアリティ、思い入れを感じる。が、その(生きざまとか)の部分は、当然ながら司馬本にはかなわない。むしろ、多分著者が得意としている、イチローや中田英寿と龍馬を被らせる記述が何回かあるんだけど、そちらの方が本領発揮で、文章としては面白い。そちら方の著作を読んでみたいという気にはさせられたかな...
「名言」はいまひとつピンとこなかった、というのが本音。自分が「若い人」ではないので、「おくられて」ないのかもしれないけど(苦笑)。彼の発言を抜き出して現代語訳しても、その背景や時代、空気が分断されているので、その重みを感じるのは、ちょっと上級テクニックのような気がする(もちろん自分には、無いもの)。若干今年出版された、ってところに(著者なのか出版社なのかわからないけど)「大河ドラマ」便乗のような、穿った見方をしてしまう自分もいて...今多分売れていると思うけど「龍馬が行く」を再読してみようかとも思う。

AMAZONで見る

0 件のコメント:

コメントを投稿

Twitter