- 幸福な食卓
- 発売日: 2004/11/20
[20/38]Library
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★★☆
「さとなお」さんのブログで書かれていた書評を偶然目にして。普段あまりこの手の本、特に女性が書くものは読まないんだけど、「出会った日」の翌日に図書館で「再会」して...
面白かったですねえ。父母、兄妹。バラバラのようでいて、でもつながっている家族。それぞれが個人として生きながらも、その家族内での役割も意識しつつ。もちろん「小説」の世界でしかないような「非日常」の出来ごとが重なる展開ではあるけれども、そしてけして「軽い」出来ごとではないのだけれども、非常に読みやすい、軽快なタッチ(表現があってますかね)で展開していく。「ひきこまれる」というのはこういうことを言うんだなあ、って後から実感できるほど、その世界に没頭してしまう。登場人物が動いてくる、そんなイメージなんだよね。
最後の意外な展開。これは「涙」の場面なのかもしれないけれど、「涙もろい」自分でもそこまではいかなかった。非常に「重い」展開で、主人公と同化して「辛い」気持ちになってしまったけれど...登場人物と同じくして一喜一憂している自分に驚いたりした。小説の魅力、ってこういうことなのかもしれないね。女性でもないし、中学生でもないんだけど、感情移入できる。素敵な体験。
軽い、けれども、全編にわたって貫かれているものがあり、そして「非日常」の出来ごとでありながら、「日常」が描かれている。うまく言えないんだけど、「いい気もち」で読める本です。小説はとくにレビューとかを事前に読まない方がよいですね。せめて☆くらいで。この本も事前にAMAZONを見てしまったら「ひきつけの力」は半減してしまいます。
「何か得なければならない」ビジネス書を読むときとはちょっと違うスタンスで、たまに読むのもいいかもしれない。他の作品も読んでみよう。
幸福な食卓
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