2011/02/17

残るものは多くないですね、残念ながら。

『イシューからはじめよ』安宅和人
[15/33]rakutenbooks
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

よくわからないタイトルと、極めて高いレビュー評価。ビジネス書にありがちなケースであるが...科学者、コンサルタント、そしてYahoo!と、同年代の自分から見ると、悔しいくらいに「上」の方。そこは尾を引かない程度に素直に読んでみた。イシュー=本当に解くべき問題点を見出す、それを分析し、「解の質」を高める。まずは本質的に不必要なものに取り組んでいないか、それに時間、労力をかけすぎていないか、そこから手をつけようと。「量を高めることによって質が高まる」のではなくて、最初から「本質」を見出すようなスキルを身につける。テーマはこれである。コンサルの経験からか、伝え方がけっこう「上から」のような印象を与えるもので、読んでいてあまり気持ちがよいものではない。本質を捉えて資源を集中させる、っていうのは、著者が「他には見当たらない。それが本書を書いた理由」と言っているほどには「異質」ではなく、最後まで(なんとか)読み切れば、結局は「どこかでみたような」ものになっているんだよね。本質を見る目、という点で「テクニック(ありき)ではない」と冒頭にあるけれども、本書の大半のスペースは、「テクニック」について割かれているような。もちろん書かれていることに異論を持つわけではなく、まさに「本質」ではあるんだけど、入口のアプローチが多少異なるだけで、つまりはテクニック論に近い。コンサルの本にありがちな(先入観、ですかね..)「市場」「エンドユーザー」の視点がほぼゼロであるのも、「ん?」という感じ。自分自身の理解力の低さをタナニアゲテ、ですけど、「結論から逆算した分析」と「イシューからはじめよ」というのが結び付かない。それこそ「本質」を理解できていない自分のレベルの低さ、なんでしょうが、レベルの低い人でもわかるようなシンプルさ、というのも必要、と本書にもありましたよね...
マーケティングも広告も、「新しい考え方」が必要になってきている今、この内容はあまりタイミングがよいとは言えない。「本質」って、っていうところが今最大のポイントなんで。

「テクニック」として、参考にできる箇所はありました。 使えるものは使ってみる、そのスタンスは変わりませんが、「特別!」という感じは、タイトルが最も表しています。マーケティングの勝利、ですかね。

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

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