- その話し方、説得力を感じます
- 発売日: 2012/03/22
『その話し方、説得力を感じます』高嶌幸広
[8/72]
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K-amazon ★★★☆☆
話すこと、伝えること。難しい。でも、考えてみれば「難し」くなったのって、オトナになっていろいろと考えてしまうようになってから、なのかもしれない。こう言ったらこう受け取られるかもしれない、とか、伝えたつもりになっているのに分かってもらっていなかった、とか。相手が同じレベルのこどもの頃は、実は「テクニック」不要で、そのまま話していれば伝わった(はず)。それによって傷つけてしまったり、傷ついてしまったり、といった過程で、何か歯車がかみ合わなくなってしまったのか。
本書のタイトルにある「説得」という言葉は拡大してとらえられます。けして「相手を言い負かす」とか「こちらの言い分を認めさせる」という狭い意味での「説得」ではなく、相手に自分の意向をキチンと伝えるためのテクニック、という広い範囲で考えられます。
最も大事なことは、最初のステップである「話を聞いてもらう」ということと、話し方「テクニック」の基本である「相手のことを想う」ということ。そのほかのテクニック、ツールは付属的な意味合いかと思います。何よりも「相手から信頼感を持たれること」を最初の条件に掲げているのは、他の本とはちょっと違うのかもしれません。話し手に対する信頼感、好感を持っていただいて初めて「聞いてもらう」環境が作れるのです。考えてみれば当然なのですが、それなしにテクニックでカバーしようとする向きもありますよね。でも、いくら技術的に優れたトークでも、その人が嫌いだったら効力は半分以下に落ちる、というのは自分に照らし合わせてもわかること。身だしなみも含めてのアテンションは、基本に立ち返る意味で参考になりました、はい。
そしてこの「信頼も持ってもらう」という第一条件は、お話をする相手が「特定の1人」ではなくても活用できそうです。すなわち、広告やDM等でも。さらにシビアに、信頼できる会社からしかモノは買わないですよね。信頼を得るためにすること、っていうのは直接広告宣伝活動ではないところで、ひとつひとつ積み重ねることが必要なのかもしれません。相手のことをよく知ること、これも同じことが言えますよね。
テクニック的なこととして、論理的な組み立てとか創造的な話し方とかは、経験値とともに幅広い知識が前提になるような気がします。これも、その話し手の人間性の深さ、というものに帰結します。
この部分が最も大切なことである、という認識を得ることができました。故に、途中で「クロージングに役立つテクニック」が挟まっていたのは、違和感を感じてしまいました。
「フットインザドア」「ドアインザフェイス」等々...もちろん、「第一条件」等を前提としたうえでのクロージングテクニック、なのでしょうけれど、この部分なしに、「本当に大事なことだけ」のほうがより「説得力」が増したように思います。もちろん実践的には現実的にはテクニックを磨かないといけないんですけれど。
【ことば】人を知り、自分を見つけることで、説得力と人間力が磨かれる
人に対する強い興味と関心、これが大事だというお話。相手のことを知らず、相手に興味を持たずして説得力のある話はできるはずがありません。そのひとに応じた話し方がある。それはやはりその人を知ること、知りたいと思うことから始まる。
その話し方、説得力を感じます
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