- 読むだけですっきりわかる日本史 (宝島社文庫)
- 発売日: 2008/06/03
『読みだけですっきりわかる日本史』後藤武士
[21/75]bk1
Amazon ★★★☆☆
K-amazon ★★★★☆
誰が読むか、によって評価が異なるが、「過去に日本史の教科書を読んだ」人ならば、この本は読むべきです。日本史の教科書で見たことのある名称、テレビで見たことのある名称が、「懐かしさ」とともに蘇ります。そして何より「面白い」。歴史好き、ではない自分でも、我が国日本の歴史は知っておきたい、興味関心がある分野です。が、教科書、授業の日本史というのは、「キーワード」を覚えることがメインなんですよね。応仁の乱、墾田永年私財法、建武の新政...キーワードは確かに覚えていますが、その内容がおぼつかない。これって何の意味があるんだろう?って思っちゃいます。
本書は、それと正反対のアプローチで、その事件や事象がおこった背景を分かりやすく、丁寧に説明してくれているスグレモノ。いまさらながら「あー、そうだったんだ..」というものもあり(忘れてしまっているだけかもしれないが)、いや、今この時点で学べたのはプラスになるはず、と考えよう。
そして(考えてみれば当たりまえだけど)「背景」をベースにエピソードで語る日本史がこれほど魅力的だとは驚きです。約2日で、縄文時代からいっきにバブル景気まで駆け足しましたが、息切れすることなく、走りきった感じです。
本書の「背景ベース」の日本史は、おそらくは「かつて日本史を教科書で勉強した」人には強烈に響くと思われます。ただ、これをもって「受験」のツールとするにはちょっとキビシイかも。忘れている部分は多かれど、どっかに残っている記憶が引きずり出される快感、というのかなあ...現役世代にはそれがないから、歴史を初めて読む、にはちょっと不適かも。なので、年号のゴロ合わせ、は要らないと思われます。試験を受けない読者は、年号を覚える必要もないし。
さて、日本史は過去のもの(当然)ですが、過去に教科書に書かれていたものと変わっているものもあるようです。新たな発見があって、「修正」されるものなんですね。教科書に書かれた「過去のもの」も100%事実ではない、ってことですね。本書で初めてその「修正」を知ったのは、あの「前方後円墳」の名称。大阪・堺市のかぎ型の古墳ですね。条件反射的に「仁徳天皇陵」と刷り込まれていますが(これは記憶が鮮明だった)、この中で眠っているのが仁徳天皇かどうかわからないらしい。で、今は「大仙古墳」というんだって。
丁度子供が歴史を学び始めたところです。 悲しいかな「キーワード学習」は「修正」されていないようなので、本書を持ってサポートしたい。楽しければ興味を持つ。で覚えるもんね。
【ことば】...日本の歴史を研究している国は多いんです。世界史上類を見ない急成長を遂げ、稀に見る奇跡の復興を遂げた国、それが日本です。
経済的な側面だけではなく、日本史の魅力に取りつかれる外国人は少なくない。自国の歴史を知らない日本人も。自分の国を誇りに思う人が少ないのが、我が国、日本の特徴だともいわれている。自国の歴史があって、今の自分がいる。日本史に俄然興味が湧いてきた。
読むだけですっきりわかる日本史 (宝島社文庫)
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宴の痕
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