2012/04/05

そうはいっても...


『アサーション入門』平木典子
[3/57]Library
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K-amazon ★★★☆☆

アサーションとは、「自分も他者も大切にする自己表現」のこと。相手を大事にする気持ちを持ち続けてコミュニケーションをしていくことで、世界が開ける、っていう素晴らしいコミュニケーションスキル、である。
例で出てきましたが、「天ぷらそば」を頼んだのに「うどん」が出てきたときどうするか?
①時間がないので何も言わない
②怒って取り換えさせる
③一言いって、でも「今回は」それを食べる
順番に、「非主張的自己表現」「攻撃的自己表現」そして「アサーティブな自己表現」となります。最初の二つは自分を抑えるか、感情をあらわにするかで、最後の「アサーション」はそのバランスなり。前の二つは結局どこかに歪が生じるだけで解決にならない、ってことなんだな、きっと。
そして、そのバランスを身につけて「アサーティブな表現」ができるようになれば、それによって自分発信のコミュニケーションのスタイルが変わってくれば、相手も変わってくると。
キレイですねー。確かにその通りかもしれません。本書にもありましたが、気に入らない相手、それこそ「アサーティブでない」相手は世の中にたくさんいます。いや、むしろそちらのほうが大多数であったりします。彼らと関わらない生き方ができればいいのですが、そんなパラダイスは現実的ではないんだよね。だからこそ「アサーティブ」。自分の中で閉じず、相手を攻撃せず。相手を変えることはできないけれど、自分が変わることによって「間接的に」相手を変えることはできる(かもしれない)というリソー的な展開です。
そのためには、自分が意識して「相手」を考えることが大切になります。そして、自分発信のコミュニケーションを、自分が抑えることなく発信すること。それで世界が開ける...なかなか高いハードルと言えるかもしれません。できる人は難なくできるんだろうけれども。「言わない方が...」と自分判断で決めてしまう場面、やっぱりあるんだよね。そして「相手」によってアサーティブになれたりなれなかったり、という弱い面もさ。
それを乗り越えて、「話しやすい人」になるのが理想だけれども。非常によくわかる話で、「アサーティブ」に向かおう!と思うんだけど、こーゆー話は本で読んで頭で理解するだけでは進めない気がします。やはり「リアル」で体験することが大事だよなあ。アタマで理解するんじゃなく、その「空気」(コミュニケーションが回っている感覚)を感じることが一番いいもんね。

【ことば】...「なぜ~?」「どうして~?」という表現には、理由など聞くつもりはなく問答無用で責める意図が含まれやすいのです...「意図や理由、いきさつについて知りたい」とか「聞かせてほしい」と伝えること...

わかる、わかるなあ。そういう受け止め方をしてしまう時が、あります。でも、自分は使っていないだろうか...って思うと多分使っている。立場の弱い人に対して。いかんなあ、まず自分が「アサーション」を実行しないと。

アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)


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本との出会いは、師との出会い。

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