2012/05/11

TFTの仕組みに驚きと感動。何かが変わる「きっかけ」ってすごい。


『「20円」で世界をつなぐ仕事』小暮昌久
[7/83]bk1
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★★☆

最初のページを開いた瞬間に「衝撃」を受けました。著者が代表を務めるNPO法人「Table For Two」の内容にである。
世界には今でも食料不足で悩む人が大勢いる。一方で食事過多によるメタボという心配が出てきたいる、といった極端な二極化。そこで、社員食堂でカロリーオフのメニューを提供する(メタボ対策)と共に、そのメニューの価格に「20円」上乗せする。その「20円」が食料で悩む貧困国への支援になる...というスキームに、感嘆しましたね。
「20円」という価値の大きさは、先進国から見れば「踏み出しやすい」レベルであり、貧困国からみれば「とても大きな」レベル。それをつなぐのが、食「卓」=Table であるという意味合いです。著者がいうように、まずは貧困国の支援とメタボ対策の両方をクリアできるソリューションであること、「食事」を通した幸せ実現の一歩であること、そして、募金箱の前で財布を開くのと異なり、動きやすい「仕組み」であること。日本発の仕組みとして、そのアイデアに感心感動感銘感嘆でございます。
その仕組みにあまりにも衝撃を受けたせいもあって、本書の大部分であるところの、NPO法人とはどうあるべきか、その設立や運用の苦労、日本にNPO活動を根付かせるのに必要なものは何か、著者自身はどのような経歴であるか...などなど、このような「社会事業」を発展させるための仕組みや想い、課題に触れられているが、自分としてはこの「仕組み」そのものが気になってしょうがなく、他の部分は熱が入りませんでした。
もちろん、「NPO法人の活動=ボランティア活動=無給奉仕」という(極端にいえば)イメージをどう変えていくのか、ビジネスセンスをその流れに取り込むことが重要であることは間違いないと思われます。そこで働く人が十分な報酬を得ることは最も大事なことで、ビジネスのひとつの大きな要素である「継続性」を最大ポイントとして考えるべきだと思われます。企業、世間からのその「イメージ」をなんとか変化させ、この「仕組み」の理解を浸透させようと活動する著者の苦労は相当なものだと思われます。
現在は多くの企業、自治体、個人からの理解協力を得て活動を広げているようで、少しずつですが「変わって」きているのが感じられます。が、著者のいうように、「変える」ことはあくまで手段であり、その先の食料不足に苦しむ国の支援、そこに住む人たちの笑顔、というのが「成果点」。これは素晴らしいビジネスであり、生き方であると思います。
繰り返しになるけれど、この「仕組み」に心酔してしまった今の心理状態を、「行動」に移したいと考えています。なんかできるはずだし、しなきゃいけないんだと思います。

【ことば】...誰の心の中にも、「いいことをしたい」という気持ちはあるのです。ただ、皆その方法がわからなかったり、素直に気持ちを出すことが恥ずかしかったりするだけなのです。

気持ちをそのまま出せばいいだけ。そんな当たり前のことに気付く。小さなことでもひとつ動けば、次のほんのちょっと大きなことにつながるかもしれない。そしてそのほんのちょっと大きなことは、次に...最初の一歩がなければ何も始まらない。

“想い”と“頭脳”で稼ぐ 社会起業・実戦ガイド 「20円」で世界をつなぐ仕事

TABLE FOR TWO 公式サイト


  >> 本書の感想文、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね <<



nigredoな日々
ゆーまりんの書評BLOG



0 件のコメント:

コメントを投稿

Twitter