2012/05/29

コンサルを目指す人は大丈夫だと思うが...


『コンサルタントになっていきなり650万円を稼ぐ法』松尾昭仁
[20/96]
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

刺激的且つ現実的なタイトル、書き出しは「コンサルにならない理由はないでしょ?」的な、前向き、明るい未来を前面に出してきます。特定分野の経験を積んだ人なら、たとえ営業力がなくとも、その特定分野の専門家になれるのさ、という内容です。ご自身が「書く」力をお持ちのコンサルタントであられるので、プロの文書には引き込まれていきます。
よーく読めば、「そんな簡単になれるもんじゃない」というのはわかってきます。広い人脈形成とか、資金とか、準備は必要なのです。直接には触れておられませんでしたが、「今が嫌だから、じゃあコンサル」という流れでは、カタチにするのは難しいでしょう。それも読みとることはできます。
どちらかといえば、「テクニック」的な側面が多く、例えば著者自身が「セミナーコンサルタント」を名乗っているように、特定分野に特化した「肩書き」がモノを言う、とか、他のコンサルタントとのパートナーシップ(契約)とか、実際に現場で動いていらっしゃるコンサルらしいテクニックを教えてくれます。
一方で、顧客となる側のことにあまり触れていないのはちょっと残念かも。相手は「カネを出す」だけではなく、当然にクライアントの満足度をあげることがコンサルの成果であって、お客様(あるいはお客様になり得るであろう見込み層)が、実際にどのような局面でコンサルを必要としていて、それにどう応えて、とか、そういう「事例」的なものがあってもよかったかなあ、と思う。
もちろん、本気で「顧客満足度」を高めるために活動している(しようとしている)コンサルタントには、とても有効な情報がありますので、何がしかのヒントは得られると思います。おそらく、この内容を受け入れにくいのは「楽して」いきなり650万、というイメージで読み始めた場合、でしょうか。確かにタイトルはそういう「キャッチ」狙いもあるような感じですが、「正しい」考えを以て臨めば、得るものはあります。
自分の経験値を他人に教える、というのはもちろん難しい。そこに「金もうけ」や「出し惜しみ」といったテクニックが加わると余計に難しくなるような気がします。本書の内容はそういった類のテクニックではない、そう信じて読めば、ほら、ね。コンサルに限らず、お金を得ることはもちろん簡単ではないですよね。だから「誠心誠意、自分の持っているモノを全て、つぎ込む」これ以外に成功のテクニックはないんではないかなあ、って思ってます。

【ことば】「私はあなた自身よりも、あなたに成功してほしいと思っているんです」ただ口にするだけではなく、実際にそう思って行動することが大切です。

本質である。「行動」が先にくるようなら、よりキレイですね。そんな思いが中心にないと、どこかしらのイケナイ企業と変わらなくなってしまう。もちろん正しい対価は前提ですが、クライアントにハッピーを運ぶ、そんなアドバイザーでありたいですね。

コンサルタントになっていきなり年収650万円を稼ぐ法


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