2012/05/15

期待値を高く持ちすぎました...

謎解きはディナーのあとで
謎解きはディナーのあとで
  • 発売日: 2010/09/02

『謎解きはディナーのあとで』東川篤哉
[9/85]BookOff
Amazon ★★☆☆☆
K-amazon ★★★☆☆

本屋大賞を受賞されるなど話題沸騰の本書。ドラマ(映画だっけ?)化されるほどの人気モノなので、読んでみたいと思っておりました。帯にもあるけれど「お嬢様の目は節穴でございますか」などの、言葉が独り歩きしているようで、「売れる」要素はふんだんに盛り込まれているようです。
内容としては、お嬢様刑事と、その執事がメインキャラで、目の前で起こった事件を「謎解き」するのは、「想像通り」お嬢様から話を聞いただけの執事です。その手腕はナカナカのモノであるのですが、肝心の「謎解き」に面白さが少ないのですね。「あー、そういう仕掛けだったのか...」とか感嘆するような伏線や、深さが不足している気がします。なので、唸るような「謎解き」が見つけられませんでした。主役2人の他にも、御曹司の上司刑事などが登場しますが、キャラクターがちょっと「低年齢層」向けなのか、あまりに「エンタメ小説」的で、冷めてしまいそうです。
そもそも考えれば、タイトル通りに「謎解き」を期待して読むものではなく、むしろ表紙に描かれたデザインのようにあくまで「エンタメ」的に読むものなのでしょう。ユーモア小説であり、「本格」ではないのですね。
そーゆー観点で考えれば、軽く読めるし、後にもひかない薄さが心地よいのかもしれません。「本格」モノが好きな人には否定的に映るかもしれませんが、例えば「謎解きもの」にあまり経験がない人にとっては「読みやすい」タイプとなりそうです。
あくまでも「お嬢様刑事が直面する事件」→「執事に話す」→「解決」という流れは各編に共通しており、安心して(?)読むことができます。そして殺人事件が主ですが、血なまぐさい場面もありません。恋愛系のクダリもありませんので、読書好きな小学生、中学生ならOKです。キャラが話すセリフも、「軽い」ウィットが含まれますので、「楽しむ」ことはできます。
カタヒジはらずに、軽い気分で取り組むのがよいかと。「売れている本」には理由があるのです。対象が異なるだけ。でも読んでそれがわかっただけでも、ヨシとしましょうかね。

【ことば】「失礼ながらお嬢様、やはりしばらくの間、引っ込んでいてくださいますか」

お約束として、執事が「解決」を語る前に、お嬢様に言うセリフがあります。執事がお嬢様に言う、というギャップが「面白い」のですが、このセリフはイケテます。分かっちゃいましたが、電車内で「フフッ」としちゃいました。


謎解きはディナーのあとで


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