2012/05/08

「道」は自ら切り開くべし。

接客道: 「輝く自分ブランド」で売る!極意とは
接客道: 「輝く自分ブランド」で売る!極意とは
  • 発売日: 2012/04/17
『接客道』辰巳明弘
[5/81]
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K-amazon ★★★★☆

「接客」のプロがその極意を披露します。「仕事」→「志事」、「頑張る」→「顔晴る」などのフレーズ、排除すべき「3D」=でも・だって・どうせ、など、言葉遊び感があってちょっと見、「軽い」感じがするのですが、最後まで読むと、「軽い」どころか「深み」があるものと意識が変わります。
繰り返し著者が主張されているのは、「接客」が変わってきている、その変化に対応すべし、という点。曰く、「商品中心のコミュニケーション」から「人間関係中心のコミュニケーション」への変化だと。マス広告で多くのお客様が「モノに興味がある。安い」という選び方はもはやしなくなっている。1人のお客様との「関係性」こそが将来へ持続するサービス、ビジネスの肝であると。
言葉を駆使する著者のフレーズを使うと、
「千客万来」→「一客再来」
となる。これってシンプルだけど、ツボを突いていると思う。言うまでもなく「モノアフレ」だったり「少子化」だったりする中、かつての「大企業」のような数字ははじき出さなくとも、元気で楽しそうな個性的な企業は存在する。この「楽しそうな」という点が大事なのだが、そこに携わる人が「楽しそう」であると、それが「伝わる」のも今の時流だと感じる。「お客様のためを思って」と声高に叫んでいる薄っぺらい企業は、それがわかってしまうのも「今」である。
著者は、行動の軸のひとつとして「間接接客」の重要性を説き、「ビフォーサービス」なる新語を使う。つまり「その場で買わない人にも正しい接客をする」ことの大事さと、「挨拶、清潔さ」などのファーストコンタクトにおける印象の重要性だ。これらは「商売のため、売らんがため」の接客ではない。あくまでも「関係性を深める」ための「あたりまえ」のことでもある。
現実的には、これらは「意識」の問題だったり、「長いスパンで考える」ことの重要性だったりすると思われる。「今月の数字」を追い求めるスタイルではお客様が「数字」に置き換えられ、「間接接客」は「数字にならない」という1点で評価されてしまうだろう。ここがこれからの「接客」のキモであることは間違いありません。
そしてこれは対面販売の場面だけではありません、通信販売でも、サービスの提供でも、BtoBでも同じことだと言えます。顔が見えないから、業界だから、って「手を抜く」ことは許されないのです。許さないのはお客様であって、無言で立ち去ってしまう結果となるのは明らかです。企業の体質を変えるにはパワーが必要ですが、まずは自分から「意識」を変えることが第一歩。そのためには、本書で繰り返し登場した「言葉」というのがひとつのツールとなり得ます。「言葉を変える」だけでも意識は変わってくる。自分の持っている本来の「接客」を引き出すためには「言葉」の力を借りることも大切だと再認識しました。
本書に書かれていたことはどれも「あたりまえ」かもしれませんが、これを継続して、「あたりまえ」のこととして行動できるかどうか。これがポイントになりますね。すべての働く環境に当てはまります。だって1人では仕事はできませんからね。

【ことば】 ...「棚からぼたもち...」...ぼたもちという幸運を100パーセント獲得するコツは、棚に”一所懸命の努力”という「ぼたもち」が乗り切らなくなるまで、乗せつづけること...

言葉を操る著者らしい言い回しですが、これが妙に心にささります。「ぼたもち」は自然に発生して棚にあがるわけではけしてない、そこには「ぼたもち」を乗せつづける努力があってはじめて「幸運がやってくる」のです。こういう感覚、分かりやすいし、伝わりやすいし、残りやすい。

接客道: 「輝く自分ブランド」で売る!極意とは


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流れ星<<ユメを叶える!>>

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