2011/12/31

この年のラストに読むのにふさわしい1冊でした。


『9つのライフ・レッスン』諸富祥彦②
[19/226]
Amazon
K-amazon ★★★★☆

未来から2011年を語る時、「3.11」を忘れることはないだろうと思う。2011年を、でなくとも日本人として忘れられぬ、忘れてはならぬ出来事である。
衝撃、という言葉では言い表せない、人生観を変えてしまった。まさに本書が書かれた前提にもなっている、「人生には、いつ、何が起こるかわからない」ということを思い知らされた。自然の力の前に、われら人間がいかに非力であるか、そしてその中で「生きていく」ということはどういうことなのか。

けして悲観することなく、けれども、どこかで「絶望感」と闘いながら、どのように生きるべきか、ということを自分なりに考え続けている。何のために、どのように、或いは誰のために。自分の存在の価値とあるべき姿。大人になってから最も「考えた」年になった。

その結論は、来年以降、出していくことになる。行動を以て出していくことになるだろう。まだ「もやもや」している部分もあるんだけど、そんな年の最後、本年226冊目に読む本は、まるで引き合わせたように、この「もやもや」に焦点を当てたものだった。

シンプルすぎる言葉が何度も繰り返されますが、
「日々、一瞬一瞬、心を込めて生きる」
これほど、本質を突いた生き方があるまい、と思えてきます。

たまたま自分がそういうことを「考えて」いたから、なのかもしれませんが、今年の悲壮な出来事は、誰かれ少なからず、「生きる」ことを意識したはずです。なので、この言葉、本書の「9つの教え」の中でも、それらを貫くテーマであることろの、
「今、この瞬間を心を込めて生きること」
これに込められた意味、本質は、伝わるはずです。

これをなすべきために、行動として私たちがやるべきこと、それが残りの「8つ」になります。その中でも「時間」の大事さという概念、これはヒトコトヒトコトが沁み込むように響きました。
お金、名誉...「生きる」ために一番大切なものはなんでしょうか。
「大切な人とふれあう時間」
もう二度と「同じ時間」を手にいれることはできません。そして、その時間を大事に思うこと、その「時間」を作り出すこと、そんな「時間」に対する位置づけと、有限である時間をどのように使うか、ということを教えてくれる。当然にそのような「時間の大切さ」も、「日々、一瞬一瞬を心を込めて生きる」ことにつながってきます。

殊更に「3.11」をハイライトする必要もありませんが、その出来事を「次」につなげるために自分がなすべきこと。それは、「考える」ことであり、これからの自分の生き方を大事にすることだと思います。
ただでさえ、「残り時間」が気になってきた自分が、「人間がはるかに及ばない自然の力」を見て考えたこと。
それを、さらによーく考えながら、行動していく、その場所である、新しい年を、間もなく迎えます。
ずーっとそばに置いておく大事な本に、今年最後に出会いました。

【ことば】したいかしたくないか、自分でもよくわからないことは、「しない」と決めましょう。そんなことのための無駄な時間は、あなたには残されていないのかもしれないのですから。

つい先日、尊敬する人からビジネス上のアドバイスとして「一つ新しいことを始めるときは、従来からあって続けるべきでないことを一つ止めること」というのをいただいた。「時間は有限」という前提で、自分ができることを考えれば、当然のことのようだが、自分でも意外だったが、そういう発想を持っておらずメカラウロコであった。そして本書でも出会うこの考え。「来て」ますね。何かが、自分に。

9つのライフ・レッスン: 3・11で学んだ人生で一番大切なこと

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大切なものは、目に見えない



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