2011/12/09

「希望」。それがつまり「生きる」こと

希望 命のメッセージ
希望 命のメッセージ
  • 発売日: 2011/09/01

『希望 命のメッセージ』鎌田實②佐藤真紀
[7/214]
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K-amazon ★★★★☆

言葉が見つからない。「3.11」の衝撃。地震、津波の足跡。原発事故。それでもそこで生きる人たち。そのままの「現実」の写真が、すべてを語っています。自然の脅威に打ちのめされた跡地、そして「人為的な」戦争による悲劇を受けているイラクの写真。著者の文字によるメッセージ同様に写真が語る事実には衝撃で言葉が見つかりません。

「3.11」からは半年以上が経ちます。原発事故の影響はまだまだこれから続くのでしょうが、被災地の復興は、やや「報道」からは遠ざかりつつあります。幸いにして、たまたま偶然に、被災地でなかっただけの私たちは、何をすべきでしょうか。自分は何をしてきて、何をしていくのでしょう。実際に医療というフィールドを軸にして「協力」している著者のようにはできません。できるのは...少なくとも「あの時」を忘れないことと、被災者の方々と「希望」を持てるような世界をつくっていく、そんな気持ちで生きることでしょう。

そんなことしかできない自分が歯がゆい。その前の瞬間まで存在した学校がなくなる。町がなくなる。そして自分の周りで愛して愛された人がいなくなる。そんな状態から「希望」を持て、というのは難しいのかもしれませんが、少なくとも、前を向いて歩き始めた人たちは大勢います。自分たちはそれを「応援」することしかできない。それしかできないけれど応援していきたい。

自然の猛威と、原発という人的な事故。これらを乗り越えるのに必要なのは、タイトルにあるような「希望」です。それは本書を読み進める中で大きな、大切なキーワードとしてアタマにこびりつきました。それは生きるために必要なことでもあります。なぜ生きていくのか。そこに「希望」を見出すからです。どんな状態でも「希望」を持つこと。これが人間にとっていかに大切なことか、心から思います。

「希望」を持った人の目は顔は、ちゃんと前を向いています。そこに光があるから。進むべき道があるから。信じて進むだけ。被災者の方々にむけて何かメッセージを出せるわけではないし、自分の環境と重ねられるわけではないけれども、自分も(なんとなく失いかけていた)「希望」を、強く意識して生きていこう。本書から、生きる意味を教えられたことは多いです。


キレイごとでもなんでもなく、今自分がここにいるのは、太古から脈々と続く生命の結果。両親、その両親、そのまた...と考えていくと、ここに存在することが奇跡なのかも。だからこそ、「感謝」という気持ちも生まれる。そして、今度は「次の世代」へ。ここには「希望」が存在する。しなければならない。

何度も読み返したい。大事なものを忘れそうになった時にはいつでも。

【ことば】...未来を信じて、なげださない人たちがいた。悲しくても、つらくても、笑顔を忘れず立ちあがろうとする人たちがいる。

今回の惨劇は、自分の意識を変えるものだった。直接的な貢献ができるわけではないけれども、誰かの笑顔をつくることができるのならば、そんな生き方をしたい。たった一人でもいいから、誰かの笑顔を見たい。自分も笑顔でいたい。「希望」を持っていれば、できる。

希望 命のメッセージ

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畝源 The ブログ 
誇りを失った豚は、喰われるしかない。

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