2011/12/18

今では「フツーの」内容になってしまったが...

週末起業 (ちくま新書)
週末起業 (ちくま新書)
  • 発売日: 2003/08/06

『週末起業』藤井孝一②
[12/219]BookOff
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

2003年に書かれた内容としてはかなり「先がけ」視点だったろうと想像されます。従来の会社勤めを辞めずに、週末(あるいは平日夜間)に別の「ビジネス」をやりましょう、会社は辞めてはいけません、という指南書。「起業」を煽るような扇情的なものではないし、アルバイトとは違う「ビジネス」をしましょう、という軸も「今では」実践的です。

当時は、「思いきれる」環境にある人は起業し、その他は不本意ながら会社にとどまり...という「二択」がせいぜい考えられる「せいいっぱい」でした、おそらく。本書でも書かれたいた「インターネットの発達により」というのも、当時はまだ「将来性」も含んだような言い方でした。

著者が本書の中で「奨めて」いたカタチは、今やさらに実現ができる環境が整ってきています。ネットのインフラや法的なものも、後押ししてくれています。あとは当人の「その気」が「本気」になるかどうか、だけの話、になっています。慎重派よりも「とりあえず始めてみる」派の方が、成功の確率が高まっているようです。

さて、そのような環境の中で、本書を読んだのは当然に「理由」があるわけで、当然「その気」なわけです。著者が指摘するように、時間を切り売りする「アルバイト」をするつもりはなく(「時間」の重要性が、若い人たちとは大きく異なりますから、ね)、「(本気の)ビジネス」でなければならないわけで。本書で指摘される「週末起業」を自分なりにカタチにしていく。いずれにしても「始める」ことなくして、成功も失敗もないわけですからね。

著者が奨める、「会社を辞めずに」という選択肢は、消極的のようですが、実は積極的な「攻め」ができるシステムだと思われます。やはりある程度の年齢になると、影響が及ぶ範囲が自分一人ではなくなる場合が多いので、「軸」は持っていないとリスクが高すぎます。軸を持ちつつ、新しい事業に...というのは、著者のいうように「会社内の新規事業」と同じ位置づけで考えられます。

「自分」というひとりの人間にとっての「新規事業」であり、しばらくは「軸となる事業」からの先行投資、と成り立つというフローは当然に考えられますよね。これは「へりくつ」ではなくて、当然の流れとして、「会社」から「個人(自分)」へと主軸が変化していることの表れでもあります。一般的にも、個人的にも、会社に頼る時代ではない、自分を高める以外に幸せはない、というのは日々実感していることでありますし。

本書の後半は、税制とか法規制とか、法人設立にかかる事務事項について。これについては、すでに「更新」されている可能性が高いので、「こういう手続きがあるんだ」くらいで読めますし、前半の「起業の心得」を、自分のことに置き換えて読む、そして「自分のこと」を現実的に考えて、一歩を踏み出す。これが本書の位置づけです。何度も読み返す、というものではなく、行動の「きっかけ」にしていく本です。「壁」が少しでもみえてきたら、一読するのもいいかと。

 【ことば】新しいことをはじめ、軌道に乗せるには...施行錯誤すること、うまくいくまで続けること、月並みですがこれしかない...

シンプルですが、その通りだと思います。それを実際にやってきた人がいうのだから間違いないのでしょう。そしてそれができるのは「週末起業」はまさに最適な「システム」かと思います。起業は「会社」を起こすことではなくて「ビジネス」を起こすこと、ですよね。「相手」の満足を実現することで、その対価としてお金をもらう、そんなビジネスの基本中の基本を、地に足をつけてやっていこう。

週末起業 (ちくま新書)

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