2011/12/01

かなり付箋がつきました。


『プロフェッショナルを演じる仕事術』若林計志
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K-amazon ★★★★☆

タイトルからまずは想像(「先入観」ともいう)する。自分の環境で考えてみると、かつての上司や、関係者の中で、「この人すごいなっ」って思っている人の口調とか、言葉の使い方とか、なんとなく「マネ」していると自覚することがある。或いは、「敢えて」その人のやり方を自分のもののように演じてみるとか(特に新しい環境で)、実際にあるのだ。そして視点を変えると、後輩が、何かの拍子に、自分の口調や話しの進め方に似てきたなあ...とホクソエむことも、経験がある。なので基本的に「演じる」ことには同意、である。

本書では「プロをマネる」ことを推奨するが、それは単に「表面的な」模倣ではない、ということがわかってくる。著者は「フレームワーク」の重要性を説くが、それには、段階があるという。「行動」「思考」「精神」のそれぞれフレームワーク。順に、抽象度が高くなり、習得が困難になるという第一段階の「行動フレームワーク」は簡単にいえば、「マニュアル」。これによって、「一般的な」技術は短期的に効率的に身につく。そして「思考」段階に入ると、当然に「知識」や「分析力」を伴う。すなわち一層の自己研鑽が前提だ。当然ですね。マニュアルでは対応しきれない領域になってくる。そして「精神」。その人の考え方、長期的なビジョン、夢、熱...内から湧き上がる「何か」であろうと思う。

実際に、「マネ」して演じた経験のある自分はどのレベルまで言っていたのだろうか、って考えると甚だ心許ない。物理的な「マニュアル」ではないにしても「行動」レベルを少しでたあたり、だろうか。 何年か社会に出ていれば、「この人は!」と思える人に出会えるはず(多分「出会えない」っていうのは、通り過ぎていくのを見逃しているだけ)で、「マネ」を高いレベルまで高めるためには、その人の「考え方」を学ばなければいけないのだろう。表面的なことだけではなくて。

幸い、自分はどんな場面においても、「憧れる」人が目の前に現れていると信じている。今アタマに浮かぶだけでも両手くらいはいてくれているし、「メンター」的な方も存在する(こちらが勝手にメンターとして心酔しているだけだが)。その人が発信する「空気」「オーラ」、うまく言えないけれども、そういうものを自分でも身につけたい、と常に思っている。今一度、そんなことを思い出してみる。そうだ、「あの人」のようになるんだった。足踏みしている場合じゃないね。

著者自身が何度も「留意」するように呼びかけているが、フレームワークは「使い方」だと思っている。それにとらわれてはいけないけれど、知っていて使うのは便利だし、自然とそういう考え方のプロセスが身に着くようになればいいと思っている。今の段階ではまだまだ、だけどね。
そして、フレームワークだ、精神だ、という話をしつつも、効率「だけ」ではなくて、努力や情熱を前提としているのも、激しく同意である。継続して何かを成し遂げていくこと。自分を高めるのも、日々の積み重ね、これ以外にはないのだから。

タイトルから受ける印象よりも、読みやすいし、実践的。そして本質的。当たり前のことだけど、忘れがちなこと。そんなことを思い出させてくれるリマインダー。本書はそういう位置づけがいい。

【ことば】冷静で客観的な見方ができる人はクールで頭がいいと思われがちですが、何かに純粋に感動し、昼夜を忘れるほど没頭してのめり込めることは、実は分析能力以上に重要な学びのスキルなのです。

その通りでございます!テクニックですべてを乗り切ることはできない。仮にできたとしても「感動」は得られない。自分の向かうべきところへ一歩一歩進んでいくためには、「のめり込」むことが大前提。そしてそれを持ちつつも、表面的には「クール」に振る舞う。これこそが「プロフェッショナル」。

プロフェッショナルを演じる仕事術 (PHPビジネス新書)

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せのび道
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