2011/12/18
SF(ファンタジー)の楽しさが詰まっています。
『宇宙からきたかんづめ』佐藤さとる
[13/220]Library
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★★★☆
対象は「小学中学年以上」と記載されています。「コロボックル」の佐藤さんです。児童向けの「ファンタジー」ものは、自分の子どものころも、今の自分の子どもたちも、読んでいる「スタンダード」。本書は、その「ファンタジー」の前に「スペース」が付いた、そう「SF」なんですね。
「ぼく」がスーパーで出会った、不思議なかんづめ。それは宇宙から来た「地球調査」の基地なのです。そして科学の発達したその「宇宙人」は、日本語で「ぼく」の質問に答えてくれます。
「タイムマシーンはホントにあるの?」
「宇宙には変わったいきものがいる?」
「宇宙の『はし』はどうなっているの?」
子どもらしい質問?いえいえ、宇宙の謎に惹きつけられた大人も同じ質問をするでしょう。子どものころからずーっと、心にある宇宙の謎。考えることがすなわち「夢」、であるようなスケールの大きさ。いない、と誰ひとり証明できない宇宙人の存在。科学がどんなに発達したって届かない宇宙の神秘...
ここに、「SF」の原点があります。これらの「ぼく」が知りたい話は、地球人誰もが知りたいこと。そしてそれをきっかけに、誰もが知っている「あの話」が、宇宙と結びついたりします...オトナが十分に、いや、子ども以上に楽しめる!あー、温かい。も1回あの話を読みたい、そんな気になっちゃいます。
どこにでもある日常に、「宇宙」が入り込んでくる。そして怖いけど勇気をもってその扉を開く少年。そう、勇気を持って扉を開く、この「行動」があって「夢」に近づける。そして、心が求めているものは何か、っていうのを見つけ、そして最後は....
ドラえもんにも、スターウォーズにも負けない「夢」がここにあります。
そして、その「夢」を実現するのもしないのも、自分次第。追い求めなければ、けして実現できない、これだけは事実。
児童書を読むだけで「深読み」しすぎ、かもしれませんが、素朴なだけに、その面白さは「深み」があります。長く読む継がれているものには、当然にその「理由」がある。この分野の書も面白いね。機会があれば読んでみようと思う。
【ことば】おもしろい話は、どこでもころがっています。だれでも、よく気をつけてさえいれば。すぐにみつかります。ただし、つかまえるのは、たいへんです。
「まえがき」から、ファンタジー全開。存在しないものを扱うのがファンタジーという人がいます。存在するかもしれないものを扱うのがSFだという人がいます。「夢」や「幸せ」は、存在「する」もの。さて、著者の【ことば】の「おもしろい話」を「夢」「しあわせ」に置き換えたら...これが「生きる」ということなのだね。難しいことばを使わなくとも、表せる。佐藤さんってやっぱりすごいな。
宇宙からきたかんづめ
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コトバ屋@えちごゆう
こだわりのつっこみ
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