2011/12/20

今のところは「実感」しておりませぬ...


『人生を変える一番シンプルな方法』ヘイル・ドゥオスキン
[14/221]bk1
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

できない、と壁をつくっているのは、つまりは自分である。自分の感情である。行動を支配してしまっている感情を「解放」することで、人生が変わる...それも驚くほど簡単な方法で。これが「セドナメソッド」である。無気力、悲しみ、恐れ、渇望、怒り、誇り、勇気、受容、平安。9つの感情を「解放」することで、人生が充実したものになります。

これで救われた人も少なくないのだろうから、否定はしません。が、自分にとってはこの手の本は難しい。例として書かれている「○○しない」というネガティブな目標は、潜在的なところでそのネガティブな出来事の実現を期待している、という指摘はなんとなくわかるんです。「禁煙」じゃなくて「非喫煙者となった自分を楽しむ」というのは事例としては今一つだと思うんですが、「否定語」を使わない、というのはひとつのポイントであることはわかります。

が、本書で紹介されているメソッドの肝である「解放」という概念がいまひとつ入ってきません。自分への問いかけ、「その感情が存在することを認識しますか」「それを手放すことができますか」「いつ手放しますか」というパターンを繰り返すことによって「解放」するのです。解放の先には、次のステージが待っていて...確かに、「呪縛」という意識がある場合があります。自分以外の何かに、或いは自分の意識、感情に「縛られて」いる、という認識を、少し離れたところから見て始めて気づく、というようなことがあります。半分くらいは理解したつもりですが、今のところはどうもしっくりきません。

個人の感情の話から、組織、最後は世界平和まで広がります。そこまで「最強の」メソッドであれば、なんとか習得したいのですが、その「欲」がそもそも駄目なところなのかもしれません。人間が社会的な動物である以上は、他人、事物とのかかわりの中で生きていくわけなので、 本書のメインではないのかもしれませんが、無私、利他、という精神が、結果幸福をもたらす、という考えでいいのでしょう(多分)。

感情を「解放」し、自由を手に入れる、というのは、「無責任」とは違うんでしょうけれど、ある程度は「気にしない」生き方、または「自然体」でいること、と同義なのかもしれません。翻訳本が苦手な自分としては、言葉を追っているとアタマに入ってこない、という悪循環に見舞われましたが、ポイントだけは押さえておきたいと思います。そして、機会がきたら再読するか...

この類は、本を読む、という行動だけではなかなかアタマに浸透しません。かといって、「セミナー」だと、ちょっとアヤシゲになってしまう可能性もあるし...自分にしっくりする方法を見つければいい、という軽いスタンスでいることが肝要かもしれません。
  
著者が述べているように、「書かれていることを理解して納得するのではなく、実践して実感して信じてください」ことなので、まずはゆるーく意識してみようかと思います。「解放」。正しいことを正しいと信じる、常に自然体でいる。できそうなところから、ですかねー。

【ことば】望み通りの人生を選び、思ったとおりに人生を生きることを妨げているのは、自分で自分の可能性を制限する感情です。私たちは決断力を感情にゆだねてしまうのです。

感情、それの基になる資質、経験値、 人間関係、置かれた環境。それにより「自分で」制限をかけていまっている、というのは、意外に多いものです。社会で生きる以上、完全に「自由」な行動は制限があるものですが、自分の能力に「制限」をかけてしまってはもったいない。その方が「楽だ」という錯覚があるから、なんですが、この制限を「解放」した方が楽、という意識も「あり」かと。

人生を変える一番シンプルな方法―世界のリーダーたちが実践するセドナメソッド

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水面のさざなみ
多読書評ブロガー石井

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