2010/10/13

「客観力」を養えないけれども...


『客観力』木村政雄
[9/174]Library
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

読み始めるまで気づかなかったけれども、吉本で「やすきよ」のマネージャーをしていた方。自分の価値を高めることを主眼においた内容で、「自分を客観的にみる」=自分を知る、というのは最近多く目にするキーワードである。著者はそのマネージャーから東京支社の責任者、そして大阪に戻る、という「異動」を経験されているのだが(現在は独立)、今では「大手」になっている同社においては「自分で仕事を見つける」スタンスを崩さなかったようだ。これは素敵なこと。吉本だから、なのかわからないけれど、与えられた枠の中「だけ」で仕事をするのは、今の時代、これからの時代においては「賞味期限切れ」になる可能性が高いという。自分で自分の道を切り開くことをしないと、「元気」も生まれてこないし、自分ブランドを高めることもできない。そんなテーマを著者自身の経験やその時に感じたことを事例として挙げながら説いている。年代が異なり、また業種も異なるけれども、すごく人間的な魅力を感じる。自分もそうなれたらいいなあ、と思って読む進めていたけれども、今の自分よりも高い年齢で独立した著者の姿を垣間見、「そうなれたら」ではなくて「そうならなくては」と思うように。著者曰く「会社を社員の力関係は『5分5分』の意識で」という。つまり会社に対して盲目的に従順になるばかりでなく、会社の力を利用して自分を高めることにも意識を持たなければならない、ということ。うんうん。
それから、(よく言われるけど)「守・破・離」ということにおいては、まずは「守」つまり、そこで行われてきている流れ、やりかた、考え方を自分のものにすること、これが大事であって、それがあって初めて次の段階「破」=自己流の考え方、やり方を提案する、というレベルとなる。そうそう。「今の新社会人は「守」を飛ばして「破」を求める。それじゃあ「ホンモノ」にはなれんだろう」まさしく。「守」の大事さ、これ、徹底して伝えなくてはね。
タイトルの「客観力」がどうこう(まとめるとそうなるのか...)というよりもスポットスポットで、「納得」させられるものが少なくない。全体の構成的には盛り上がりが少ないので、最後まで読み切った!感はあまりないものの、後味はよいです。当然にここには書かれていない苦労もされたと思うのですが、そういう艱難辛苦乗り越えて、何がしか「やり遂げた」方の話はやっぱり響きます。素直に心に届きますね。かっこいいです。

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