2010/10/08

いいところも、そうじゃないところも。


『紫の牛を売れ』セス・ゴーディン
[6/171]BookOff
Amazon ★★★
K-amazon ★★

マーケティングの4P(Product,Price,Place,Promotion。他にもPublicity,permission等々)有名なフレームワーク。本書はここにさらにもうひとつの”P"を加えるというもの。それはPurple cow=紫の牛、というもので、つまりは「常識を超えたもの」という意味合いを持たせる。消費者の変化によるマスマーケティングの限界(特に費用対効果)を声高に主張し、ニッチなマーケットに対して他と違うモノを売る、という意味だ。まわりくどい。何故「紫の牛」なのかわからない(タイトルが「常識でない」ものになるように、か)が、マスマーケットを対象にする限界や、差別化(スペックだけではなく)、ターゲットの細分化、明確化、というのはよく言われていることだ。本書が書かれたのが2004年ということを考えると、おそらくこの本をベースにした同様の説は多くのビジネス書で既に目にすることが多くなってきている。つまり、その目線は正しい、というか正しいと思われるのだろう。読む順番が違う、と言われればそれまでだが、それゆえに目新しさがない。
ただ、この前に読んだ『論語と算盤』に共通するポイントがあり、変化の速度が速く、複雑化する時代、市場においては、保守的になる傾向がより強くなってくるので、その環境の中では「保守的」になるのは一見「安全・無難」に見えるけれども、それだけでは何も発展しない。発展する可能性すらない。世の中の体制がそのような意識でいる中で、「紫の牛」的な発想をすれば、すなわち「勝ち組」に近づく可能性も出てくる、ということ。これもいいつくされたフレーズではあるが、こんな環境であるからこそ「動く」ことが肝要である、という点。これは間接的にではあるが、読み進めている中で自分が解釈したポイント。
「紫の牛」を作り続けるのかどうか、という点が、そのままでも利益は広がる、という箇所と、結局元にもどってしまう、と書いてある部分と両方あったような...訳の問題かもしれないけれど、何度読み返しても意味がとれないところも少なくなく、読むのにつかえてしまうことも度々。「翻訳」って難しいんだろうけど、これがスムースでないと、「結局外国の事例、考え方なんて...」というイメージに結びついてしまう懸念が。

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