2010/10/06

一般的な若者論。本質は...


『私は若者が嫌いだ!』香山リカ③
[4/169]BookOff
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タイトルからしても、その内容にしても、おそらく「若者」が読んだら反発するだろうなあ、って思う。けど、若者「でない」自分の年代が読むと、同意同意、すーっと入ってくる感じだろう。自己中心的、未来志向のなさ、社会的な責任への配慮のなさ、他人に置き換えることのできない考え方...ここで初めて目にすることはないです。表面的には「だから今の若者は...」論に見える。だから指摘される若者は反発する(これは本書に書かれた「若者」像、そのままだが)。けれどもなんとなく著者のいいたいことは、否定「だけ」ではなくて、なんとか理解したい、近づきたい、という意志があるように見える。見えるだけなのか...
その言葉ズバリは書かれていなかったと思うけれども、自分が感じるのは彼らが「考える」ことをしなくなっている、という印象。「会社や組織は自分にとってのサービスを提供する場」であると捉え、仕事を与えてくれる、やりかたを教えてくれる、そんなイメージをもっているから、それが無いとどうしたらいいのかわからない、不満を持つ。そんな繰り返し。これを「甘い」といっても、そもそもそういう考えがしみついているから、自らを変える、という発想の土壌がないから、かなり厳しい。
かという自分はどうなのか。自分が「若者」の頃もきっと似たり寄ったりだったのだろう。実際に本書に書かれていた若者の「生態」について、自分にも(過去の自分にも、場面によっては現在の自分にも)当てはまるかも、と思った箇所はある。でも、会社が「与えれくれる」という感覚とか、なんとなく「そうじゃないんだ」って(やっと)思える時期がどこかの時点であったと思う。それに気付かせてあげるのが今の立場、と言われてしまいそうだが、いやいや「若者」はそう簡単ではない。
本書は、「大人から見た若者」という内容で、それ以上でもそれ以下でもないと思う。これ読んでどうこう、ということは基本ない(あるとすれば彼らを「引き上げる」ことをあきらめるくらいしかない)。これからどう付き合っていくか...そんなことを考えるきっかけにはなるかな。相手は「若者」だけでなくてね。

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