2012/08/03

刺激はいただきました、が少しだけ違和感も

日本でいちばん大切にしたい会社2
日本でいちばん大切にしたい会社2
  • 発売日: 2010/01/21

『日本でいちばん大切にしたい会社2』坂本光司③
[2/137]Library
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

前作に続き、著者が「続けることに意味が」とあるようにシリーズ化された、いいものをいいサービスで提供し続ける、誇りに思える日本の会社、の紹介。経営学者の著者が、「感動」を生んでいる会社を実際に訪問し、そこで得られた会社の「思い」や「姿勢」を著しているので、「また聞き」ではなく自身の目を通して語られる分、臨場感がある。

本書にあげられる8社で、概ね共通しているのは、経営トップ層の「社員を大事にする気持ち」であろうか。「決まり」で押しつけれらる定年制や、社会風潮的な年功序列とか、あるいは「管理」などとは無縁のやり方。タイムカードがない、年齢とともに給料があがる、早いもの順で採用する、休日が多い、など、そこで働く社員を信用してはじめて成立しうる仕組みがある。

本当にできるんだろうか...?と、「一般企業」に勤めていた自分からは想像しづらい。おそらくこれは「順序」であって、「信用しているからタイムカードがなくても規律は守れるし仕事は順調に回る」であって、「タイムカードをなくせば仕事環境がよくなる」というものではない。ただ、これを経営層がどこまで徹底できるか、という点にも関わってくるような気も。

取り上げられた会社が極端なのかもしれないが、経営陣と社員の信頼関係が強く、チームワークというものを感じる度合いが高い。まるで「物語」を読んでいるようにも感じてしまうほど。本当にホントなの?

という気持ちになってしまうのは(自分のココロがすさんでいるからか?)、掲載された「大切にしたい会社」の経営層からの視点がメインで描かれているから、だろうか。もちろん社員やサービスを受けたお客様からの「サンキューメール」の類が紹介されるものの、どちらかといえばトップのキャラクター、考え方が印象に残る。現場の人は本当にそう思っているんだろうか...

それと、ある意味で「先行投資」ができる環境にある企業が多いのかなあ、という印象もある。社員の成長のためには投資を惜しまない、という姿勢は賞賛に値するものであるが、おそらく多くの企業は、先行投資したい気持ちがありつつも、現実的には(物理的に)不可能=お金がない、ということなのかもしれない。
実際に、いいものいいサービスを持っていながらそのような環境にある会社を見てきている自分としての違和感はそのあたりにある。

かといって、ここに紹介された会社の価値を落とすものでまったくない。タイトル通り「日本で大切にしたい会社」であることに異論はまったくありません。
そしてその会社の考え方、アウトプット、徹底した継続的な姿勢、それらから刺激を受けたのは間違いないです。自分もそうなりたいし、そういう会社に接していたいと思う。

【ことば】...感動・感嘆・感銘するような愛情あふれる人間思い、社員思いの経営を行っている企業も、少なからず存在していることがわかります。しかもこうした企業は、例外なく好業績をあげているんです。

効率を追い求める企業が多い中、短期的な数字を追い求める姿勢が目立つ中で、そのような企業がすくなからずあることは、「復興」を目指す日本にも光が見える気がします。ただ、まだまだ「好業績」を上げられないところも少なくないんです。正しいことをしている企業は成功「しなくてはならない」、そう思います。

日本でいちばん大切にしたい会社2


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