2012/08/22

サブカルと鬱...相関関係ないんじゃね?

サブカル・スーパースター鬱伝
サブカル・スーパースター鬱伝
  • 発売日: 2012/07/21

『サブカルスーパースター鬱伝』吉田豪
[12/147]
Amazon ★★★☆☆
K-amazon ★★★☆☆

「サブカル」の世界にいる男子は40歳を迎えると鬱になるんじゃないか...著者が感じている疑問をベースに、「サブカル」たちへのインタビューを敢行。
「サブカル」に縁遠いところにいるのだが(かといって大衆迎合でもないけれど)、著者がどうような方かわからないままに読み始めた「初心者」にとって、「サブカル」というテーマ以上に、読むのが遅くなった理由は、まるで「身内」のような会話についていけなかったから。

著者と対談する人たちは、旧知の仲であるようなのだけれど(それは別に構わない)、会話の内容が「サブカル」すぎてよくわからない...というのが本音である。名前は知っている人が多いけれど、敢えて「その人のことを知りたい」と感じたほど思い入れていた人が少ない、というのもある。

本書に登場する「サブカル」世界の人たちが、著者の仮説であるところの「サブカルは40歳で鬱に」という内容で対談していく。自身がその年代を迎えたときの話、鬱状態であったときの話、それを行け出した話、と展開されていく。

サブカル=文系男子=カラダを動かさない、というところに理由を求めたり、サブカルに依存する「呑気さ」に原因を求めたり...
もしかしたら、鬱=サブカルは関係なく、年代とそれに伴う社会的な位置づけとか、取り巻く環境とか、そういうことじゃないかしら?って、テーマ設定が「モトモコモナイ」ことを思ったりした...

本書に登場する人の多くは、自身が「病んで」いたときのことを語る。これを読む読者の方はどのようなスタンスでいればいいのだろう。「こんな有名な人でも悩んで、それを脱して、苦労されているんだなあ」って思うのか...「人生折り返し時期になると誰も彼も悩むんだなあ」と思うのか...

自分は「後者」でした。どうも彼らの話の中から「勇気」をもらえるような場面も見つけることはできず、淡々と「事実」のみがアタマにはいってきたのみで、前向きにはなれず、正直読後は脱力してしまいました。
なぜだろう?鬱状態になる危険性は「サブカル」とは別のところに存在していて、もしもその状態になったら、自分で抜け出すしかない、っていうことが明確になったから、かもしれません。
そもそも「鬱」というテーマの本が楽しいわけはないけどね。

【ことば】人間、”自分のため”に頑張れるのは三十代まで、ですね。結婚したり子供を作るのは、”こいつらのために”という新たな目標を持って、頑張る期間を長続きさせるためなんです。

こう断言されちゃうとちょっと抵抗はあるものの...自分の時間を振り返ると、そして「今」を考えると、確かに言い得ているなあ、と感じます。でも「目標」があって「頑張れる期間」が続くことは大事だし、「(自分ではない)人のため」という動機付けが自然になるのも、それは気持ちがよいもの。

サブカル・スーパースター鬱伝


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