2012/07/26

「メッセージを伝える」ことに通じる

漫才入門 ウケる笑いの作り方、ぜんぶ教えます
漫才入門 ウケる笑いの作り方、ぜんぶ教えます
  • 発売日: 2008/09/10

『漫才入門』元祖爆笑王
[16/131]Library
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

プロの放送作家が実際に行った「漫才教室」。かなり真剣な「芸」としての漫才を「解説」します。そもそも漫才とは二人で行う「会話」であり、また、見ていただいているお客様に、何をどう伝えるか、という観点が必要。ネタの内容、しゃべり方、キャラクター、すべてが考え抜かれた熟練されたものになって初めて、「本物」として受け入れられる。そして、一度受け入れられてもそれらを常に「更新」しなくては、他のものにとって変えられる。

...ってこれ、ビジネスと一緒です。売るための商品、サービスの質が高く、それをどう消費者に伝えるかが重要で、販売者としての信頼を得なければならない、そして、常に高いレベルに向かって更新していかなければならない。一緒です。

大前提として、常に情報を集める、引き出しを多くする、一分野については深い知識を持つ、オリジナリティが必要、である。そしてお客様との関係性は、「共感を得ること」である。「お笑い」に対する価値観が以前とは変わってきて、人を楽しませることの困難さ、っていうのが痛感できる今、彼ら一流の技は、尊敬に値するものがある。「本番」に臨むまでの準備にも思いを馳せることもある。
が、ネタを見ている時は、そんな理屈を忘れさせるような「共感」が感じ、シンプルに笑ってしまう。

プロの技、だなあと思う。本書で示されているように、「起承転結」がなされたストーリーがあり、「階段をあがるように」ネタの切れ味が、落ちに向かって上がっていく。安定してテレビにでている一流のコンビは、やっぱり違うなあ、って改めて思う。

ビジネスにおいても、「買う人に喜んでもらう」ことが大事であり、初期の接触において「共感してもらう」ことから関係性が高まっていくことは全く相違ない。漫才において「次も見たい」「話題にする」という点もまったく同じだ。店舗における直接販売でも、無店舗(通販)での販売ツールでも、売る側は「ストーリーテラー」にならなければいけない、ってことだ。

そういう見方をして読んだ。何も今から漫才師を目指そうとは思っていないけれど、確かに得るものはあるんです。なによりも「今を知るための情報収集を行い、自分の言葉で伝えることで共感を得て、将来に続く関係性を創る」というのは、漫才でいうパフォーマンスであり、ビジネスでいうマーケティングであるのだね。

【ことば】...漫才を成功させるための秘訣を二つ挙げます。一つ目は、ただひたすら続けることです。...二つ目は、「芸人である前に人として、いい人でなけらばならない」ということです。

どこかで必ず来る「壁」にあたっても、その壁を越えるには「続け」なければならない。そしてメッセージを伝える先に「人」がいる、その人に共感してもらうには、自分を受け入れてもらうには、自分自身が高い人間性である(あるいはそれを真摯に目指している)必要がある。

漫才入門 ウケる笑いの作り方、ぜんぶ教えます

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