- 安売りしないでお客をガッチリつかむ技術
- 発売日: 2012/01/20
『安売りしないでお客をガッチリつかむ技術』竹内謙礼②
[15/129]Library
Amazon ★★★☆☆
K-amazon ★★★☆☆
人は易きに流れる、競合に対抗して「安売り」に走るのは、そもそも考えが間違ってませんか?という指摘である。著者がコンサルタントとした関わるBtoCのビジネス、通販などは特に、「価格勝負」という「思いこみ」が根底にある。インターネット通販が浸透したことに伴って、容易に「比較」することが可能になった時代、「安い」ことが最大のポイントになってきている。
著者が何度も指摘しているように、「安売り」することは極めて短期的な策であり、体力を消耗することしか結果残らない。そして現場と経営の差が如実にでるのも、この「安売り」という戦略である(そもそも「戦略」という言葉さえも当てはまらないのかもしれない)。つまり、安売りすることで、「売れている」という感覚は得られる。薄利多売。この「多売」が前提であればまだいい。ただ何の見通しもなしに「まずは値下げ」という手法を取ると、いずれ「薄利」のみが残ることになる。
現場、従業員は、インセンティブで働いているのでない限りは、「多売」の方が実感を得やすい。そして消費者としての意識に近いので、「安値」を支持するのだが、人件費をはじめとする固定費を抱える経営層は、当然に「利益」を考えねばならぬ故、利益率の高いビジネスを模索するのだ。
本書では、まず「値下げ」という「安易な」考え方を捨てること、これには考え方を変えることや、場合によってはビジネスモデルそのものを変更する必要も説く。値下げ=いいこと、値上げ=悪いこと、という意識を先ず変える。「適正な」利益を売り手側が得ることで、その利益からよりよいサービスを還元する、という(考えてみれば当たり前の)流れに「意識的に」「構造的に」変革していくことを説く。
言っていることはよーく分かります。アタマでは分かっている経営者は少なくないはずです。それができないのは、「安売りしない」ビジネスモデル成功までにかかる時間を乗りきれる体力があるかどうか、でしょう。短期的な目線に舞い戻って「セール」をやってしまうこともあるかと。
著者のいうように、「意識改革」をしないと、そして安売り体質の脱却までの期間持ちこたえる体力を保持していないと困難かもしれない。ただ、いずれかの時点で限界を迎えるのがわかっているのならば、やはり最初はムリしてでも「体質改善」すべきかと思う。
方向性をはっきりと図示してくれる著者のメッセージは、ダイレクトに響きます。多少は似通った業界にいる自分にも、大きな刺激、頂いております。BtoBであっても「安売り」しない体質でいかないと、ですね。
【ことば】 だから中小企業がこれからの時代に生き残るためには、「ファン化」の、さらに上の、「宗教化」を目指して欲しい。
同じような商品、サービスがある中で、敢えて選んでもらうには、その商品を「好き」ではなく「大好き」になってもらう必要がある。さらには、情報流通が高まり、大手が「廉価」戦略を取ってくる中では、「ファン=大好き」を越えた「宗教的な」熱烈さが必要かもしれない。成功しているビジネス=宗教化、というのは、感覚的に同意です。
安売りしないでお客をガッチリつかむ技術
>> 本書の感想文、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね <<
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