2011/04/28

ソーシャルメディアはあくまでツール。

『ロイヤリティリーダーに学ぶ ソーシャルメディア戦略』高見俊介
[19/84]Rental
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★★☆☆

個人でやってるTwitter、facebook、ブログ...通販事業に携わる、特にこれまでECの世界に(どっぷり)いた自分にとって、「最新」のこれらのツールをなんとかビジネスに生かせないか...というのはここしばらくテーマとなっている。考えてみれば、その考えが起点となって、「まずは個人で」始めたのだ。いろいろとネットマーケティングの周辺にいる人たち(広告代理店、ツールベンダーなど)は、しきりに勧めてくるが、どうも「ツール導入」の域を出ない。「どう」活用するか、の前に、「なぜ」使うか、という点が絞り込めていないのが踏み出せない理由。この本は、それらのツールの利用方法についてテクニック的なものではなく(そういえば「テクニック」は一切出てこない)、「なぜ」にフォーカスしているような。「その先」が見えていれば、有効なツールとなりうるわけである。
ソーシャルメディアと同じく関心が高いものとして、NPS(NetPromoterScore)という指標があることは、その名称だけ知っていた。そして著者が日本で最初のNPS認定資格者である、ということも。リピート型商品を扱う通販企業にとって、これは「永遠のテーマ」でもあるんだけど、「続けてもらう」ために何ができるのか、ということ、そしてそのための施策の評価をどのようにするのか、ということが各社各担当者のアタマを悩ませていること。NPSとは、「人に薦めたいと思う」ロイヤル顧客がどれだけ多いか、という指標(定義が簡単すぎますが)。広告、セールスDM等々、通販の現場は、「即効性」を求める流れが強く、短期的な考えになりやすい。これまではこれでよかったのだろうけれども、通販企業が飽和状態になってきている現状、これを抜け出すのは「長期」視点を持って、それを持続できる企業になろうと思う。問題は、「短期」に比べて「長期」はその効果を測りにくい、ということと、あとはシンプルに「正しいと信じて我慢できるか」ということ。
その「正しい」精度を高めるためのツールとしての位置づけとして「ソーシャルメディア」を上げているのが本書である。だから、よくありがちな(というかすべてその方向だと思う)「まずメディアありき」という論ではない。そこは「正しい」と思う。特に著者は、これを推し進めるためには、経営者が真に「お客様満足度向上」に向けて取り組まねばならない、というマインドを強調する。いわば「精神論」。本書のおそらく2/3くらいがカタカナ用語であり、またソーシャルメディアだのNPSだのって、「IT」寄りの内容かと思いきや、軸はそこ「=思い」にある、という、なんだかうれしくなる話。自分もそう思っているからね。
なんとかきっかけにしたい。本気で取り組んで、あきらめない。そんな「思い」がないと流されるよね。本質を、軸をぶらさないこと、これだね。

【ことば】「ソートリーダーシップ」というコンセプトが...これは企業のソート(思い、信念、知見)をベースに、業界でリーダーシップをとっていくという考え方だ。


繰り返し説かれているのが、「ヒューマン」が必要、ということだ。つまりツールはあくまでツールであって、それを使う「人間の思い」が根底になければなんにもならないってこと。これまでカタカナで言う必要はないと思うけどねー

ロイヤルティリーダーに学ぶ ソーシャルメディア戦略

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