2011/04/26

「漢字」の奥深さを(改めて)知る。

「厚顔」のススメ (小学館101新書)
「厚顔」のススメ (小学館101新書)
  • 発売日: 2009/08/03
『「厚顔」のススメ』宋文洲
[18/83]Library
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

「漢字」という共通の文化を持つ、日中両国。著者は中国から日本に渡ったビジネスマンとして、両国の関係性の強化や、共通の意識、文化の育成を望んでいることがヒシヒシ伝わる。漢字は元はもちろん大陸から伝来したものだが、それを自国向けにアレンジしたのは日本。これを、中国側が「教えてやった」とか、日本側が「簡体字は駄目」とかいうのは、お門違い、っていう著者の思いが、この「漢字」をテーマにして本に網羅されているよう。
中国の古典からのキーフレーズを元にした現代ビジネスへの展開、日中両国で「今は」意味合いが異なるようになってしまった漢字の、もともと持っていた意味。なんの意識もなく使っている漢字のこめられた意識...「漢字」という言葉に関心がある自分にとっては、最後まで興味深く読むことができた。いわゆる「漢字のなりたち」的なハウツー本ではなく、日本で企業した著者ならではの「ビジネス展開」が面白い。
「悲しい」=否定する心。悲しいのは「自分」であるということ。これを「変化のタイミング」と捉える、とか、「起業」「改める」に含まれる「己」=改めるのは「己=自分」である、ということ、などなど。多少の「こじつけ」はあるかもしれないが、そういう「深堀り」をしてみることは、意味があるし、自分を高めることにもつながると思う。
「三国志」「論語」などの古典については、数ページの解説でわかるはずもないので、これらは参考程度、かな。タイトルの「厚顔」については、多く触れておらず、いい意味でタイトルとのギャップを感じつつ、意識を「改める」ことも、己で考えることの大事さを思う。

【ことば】誰もがすばらしいものを持っていて、誰もが欠点を抱えて...言動や行動を通じて...他人の能力に火をつけることができるのです。

「教」という意味。教育するのは、他人に押し付けることではない。独自に考える力と自ら行動する力をつけることが、すなわち教育。そこにはテクニックではなく「思い」が必要、だよね。

「厚顔」のススメ (小学館101新書)

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