2011/04/25

途中から「違う本」になりまして...

『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』竹田恒泰
[17/82]bk1
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

かつてない災害に襲われた日本で、「復興」に向け、今こそ日本が試される時期が来ていると感じる。日本が元気になるような、日本人が元気になるような本を読みたい。純粋にそんな動機から手に取った。震災前から、日本が日本である所以であった「経済」で陰りが見え始め、リーマンショックで国際的な企業が打撃を受ける。時を同じくして、「市場」という意味で中国が躍進、「日本は駄目、これからは中国」という合唱が聞こえて...
今だから言うわけではないが、中国市場向けの仕事をしている際にも、この考え方には多少違和感を感じていた。「日本を活性化」というのも、中国市場と同じくらい大事なんじゃないかな...って。
そんな環境もあって、今、日本で生まれ、日本の文化を誇りに思うことがとても大事なんだと感じている。外国出身の知人もいるが、彼らのほうが「日本」を知っているケースは多々ある。それは教育の体制の問題もあるかもしれないけれど、「日本人」の意識の問題が一番だと思う。
「国体」として天皇制が長く続く日本は、世界で最古の国であると著者は言う。古くから「文化」を育み、それが外国にも大きな影響をもたらしている、と。それは大事なこと。そして今、経済で「一番」が遠くなっているけれども、「文化」で世界貢献をする道は開かれているし、そのきざしも生まれつつある。
って、前半は「同意」事項が多かったんだけど、後半は、そもそもの著者の持論であるところの「天皇制」に終始する。象徴天皇というシステムには多少なりとも「同意」だし、それ自体は個人的にも否定するところはないんだけど...それを大事にすることも大事だとは思うんだけど、(前半の)文化大国を目指すためにどうするか、というテーマを深堀りしてほしかったなあ。タイトルから、天皇制はイメージできなかったし...日本を誇りに、日本人であることを誇りに思う心は大事。それは天皇制とは違うところで考えてみてもいい。(そのベースが、著者の説くように、天皇制が敷かれているから、であっても構わないけど)

【ことば】米国出身の温泉旅館の女将が「ニッポン人には、日本が足りない」といって...

なんだか考えさせられる言葉である。日本のほんとの良さが分かるには視点を変える必要があるのかもしれない。これがわかることが、本当の意味での「国際化」なんだろう。

日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか (PHP新書)

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