2011/04/19

「若者」でなくとも読めます。むしろ...

『負けてたまるか!若者のための仕事論』丹羽宇一郎
[14/79]BookOff
Amazon ★★★☆☆
K-amazon ★★★☆☆

「20代、30代のために...」冒頭から「圏外」を指定されてしまったが、伊藤忠トップの本は一度読んでみたかったので、敢えてチャレンジ。
最近の若い人たちは...
自分の若いころは...
といった、「オヤジ論」も、最初こそ見られたが、管理職層でも、「気持ち」さえ若ければ、十分に堪能できるかと思います。どちらかというと、後半は「若者へのための」から離れて、「仕事論」が中心になってきます。
「アリになれるか。トンボになれるか。人間になれるか」
ある面接の際の質問だそうです。「アリ」のようにがむしゃらに働く。「トンボ」のように複眼をもって、視野を広げる。そして「人間」として温かみを持って仕事を進める。仕事を進めていく中で、結構本質的な言葉かもしれません。自分の立ち位置は...トンボから人間にかけて、というステージでしょうかね...でもこの言葉は「アリ」経験のある自分からするとかなりの確率で正しい。けれど、なんとなく今の風潮は、「アリ」を否定しているようです。がむしゃらでなくとも「ゆるく」生きるほうがいいんじゃないか?っていうハウツーが多くみられます。「アリ」の経験のうえに。さらには「トンボ」の経験のうえにたって。初めて言えること、なんだけどね。
以前読んだ「Coco壱番屋」の創業者のように、「アリ」時代に、相当の働いた方のようです。なんだか立身した方は、結局はそこなのかもしれない、と思ってしまう。「成長」の過程をうまく切り替えることも大事なんでしょうね。
商社が具体的にどんな仕事内容なのか、いまひとつわかりませんが、ある意味「現場主義」を社長になっても捨てていない、素敵な方だと思います。なかなかできることではない。それもこれも、いろいろな体験を積まれた中で「嘘をつかない」ことを実践、貫いてきるから、なのだろう。これも何度も本書で説かれていることです。
タイトルで読者を選別しちゃっているかもしれませんが、自分の立場からいうと、むしろ、「迷っている」40代、トンボから人間になろうとしている立場が、もう一回自分を見つめなおす、そんなときに読むべき本だと思われます。

【ことば】自分一人がなんでもできるわけではないんです...小さな努力の積み重ねで人と人とのつながりを大事にできなければ...

功なり名をなした方のいう、この言葉は深いものがあります。性悪説と取られる著者ですが、つまるところ、一番大事なのは人とのつながりであることは、一貫して言われています。これが「人間」というステージになるためのキーポイントですね。

負けてたまるか! 若者のための仕事論 (朝日新書)

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