2011/04/12

こーゆー世界観もあるのね。なじめないけど

おひとりさまの老後
おひとりさまの老後
  • 発売日: 2007/07
『おひとりさまの老後』上野千鶴子
[9/74]Library
Amazon ★★★☆☆
K-amazon ★★★☆☆

ベストセラーになった本、ですよね。著者の名前は知っているけれども、何をしている人なのかは知らない。「おひとりさま」ってフレーズがついた本は結構見られるけど、この本がその火付け役になったみたい。「非婚」の女性をしてそう呼ぶのかと思ったが、離婚や死別も含めて、平均寿命という観点から見ても、最後は「おひとりさま」じゃん、っていう内容。その「おひとりさま」をどう生きるか、著者がおそらく一番気にしている(おそらく大半の「おひとりさま」も)ように、周り、特に既婚の男性から見て、「おひとりさま」はどうも「イタい」感じがしてしまう。自分もご多分にもれず。どうやって「老後」を過ごすのか、余計なことだけれども心配してしまう気持ちは、正直持っている。「さびしいでしょ」といわれることを嫌っているけど、どうしてもそういう言葉になっちゃうんだよね、それが何にも生み出さないことが分かっていても。「老後」というタイトルにも表わされているように、介護や、死に方まで、「おひとりさま」として持つべき指針が書かれている。自分とはまったく違う世界観だけれども、確かに当のご本人たちは、そういう気持ちになるんだろうなあ、というかそういう気持ちになろうとしているんだろうなあ、って思う。異次元の世界を知っておくのも悪くない。
レビューとか見ると、「自分主義」とか「お金持ちの理屈」的な発言が見られるけれども、フラットな立場で読んでいると、けしてそんな気は起らない。ジェンダーの相違、環境の相違、なのだろう。女性の、「当人」が読むとまったく異なる感情がでてくるのも、(言葉は適切ではないかもしれないけれど)面白い。
通信販売の仕事をしているので、こーゆー方々と「お客様」という形で接することもあり得るので、無駄な読書時間ではなかったと思う。すっごくシンプルに言えば、世の中が急激に変化する中で、旧態依然とした文化をそのままにしておいていいの?という提起だととらえる。確かに法的な点も含めて、男女、という区別をしたものも多い。ただ、男性側からすれば、そう主張しておきながら、たとえば「女性専用車両」など、女性側がジェンダーを意識している点もあるかと思う。「男社会」を否定的にとらえる論調が多いけれども(大方、的を射ているけれど)、男側の意識も少しずつだけど、変わってきているんですよ、きっと。

【ことば】相手とのいい関係をつくろうと思ったら、キモチ悪いことだけではなく、キモチよいこともきちんと伝えるのが大事。

介護を「受ける側」の心得として著者が示している部分。「通常のコミュニケーションに通じる」と書かれているように、これって大事。何事も「伝えてなんぼ」というところ、あるよね。

おひとりさまの老後

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