2011/04/14

まさに「変人」、真似できない「変人」だ

日本一の変人経営者
日本一の変人経営者
  • 発売日: 2009/11/13
『日本一の変人経営者』宗次徳二
[11/76]Library
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★★☆☆

最近どういうわけかよく耳にするお店「Coco壱番屋」。去年中国に出張したときに現地で行った。そして今の職場の近くにもあって、何回か行った。特別な「思い入れ」もなく、味的にも特別な感情はなかったが、なにかと話題にあがっているのだろう。そんな中で、読み始めたのだが...
創業者のことなど気にしたこともなかったし、 1000店突破、もこの本で初めて知った。そんな「やる気のない」読者であるけれども、読み進めるに従って、この「モーレツ社長」に圧倒される。不遇な境遇の中育った経緯もあるのか、苦労を苦労と感じない、とにかくガムシャラサを感じる。これを読む限りは、最近多い「効率化」とか「時間管理」とか、ましてや「ワークライフバランス」なんて吹っ飛んでしまう。なんといっても、「1年間1日の休みもなく働くこと」を目標にして、それを実行してしまう人である。ただ、ひとつ大きなポイントは、「金儲けのため」ではないことだ。お客様、社員、家族、地域、自分を囲む人たちのために、自分のすべてをなげうっている姿...できませんね、これは。
不動産業に従事している中で、喫茶店事業に転身、そこで「天職」を得て、その後カレー専門店を作り...そして1000店舗である。そこにあるものは、お客様へのおもてなしのサービスだったり、やる気だったり...「正しいことをしていれば、し続けていれば、仮に今はダメでも必ず浮上する」ということを信じて、信じ抜いて、「継続」すること。早起き、掃除、...経営や金もうけには直接関連ないかもしれないことを、「正しいこと」を継続する力、これが原動力のようだ。ここまで貫けるのは、まさに「変人」。経営者となってもその熱は冷めることなく、働き続ける...というか著者にとっては、「働く」ではなく「生きる」ことなんだろう。
効率や、時間管理、といったものよりは、このような「熱」のほうが好きだ。最後に勝つのは「正しいこと」を継続することである、と自分も心から思っている。だけど、この方はちょっと度を超えているような気もする。ここまで徹底して現場を貫く経営者は、現代の「効率」という考えを少しでも持っている、下の人間の目にはどう映るんだろうか...「社長が率先垂範すれば」というのも、少なからず前時代的なイメージも否めず。「貫く」ことの大事さを感じるとともに、「ここまで」というのも同レベルで感じてしまったのは、事実である。
それから...そんな「熱い」オヤジがいるカレー屋だと知った後、明日の昼食はCocoにするかどうか...なんとなく気遅れしてしまっているんだなあ。

【ことば】お客様が店に足を踏み入れた瞬間「この店に来てよかった」と思っていただき、お帰りになるときは「この店にまた来よう...」と思っていただける店にしようと...

理想形。言葉でいうのは簡単。実践して、実現するのは神業。でも、実行しないことにはそこには永遠にたどり着けない。このマインドは、店舗だろうが通販だろうが、変わりはない。

日本一の変人経営者

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