2011/04/08

「そのとおり」な部分あるけど、受け入れられない自分も

『ゆるく考えよう』ちきりん
[6/71]bk1
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

「社会派」の有名ブロガー、らしい。自分は知りませんでした、すみません。「社会派」ってジャンルがあることすら知りませんでした...著者がこの本で言っているのは、タイトルからも容易に察しがつくように、「頑張らない生き方」「目標を高く持たない」「ニートの何が悪い」等々の「ゆるい」スタイルです。この方がどのような境遇でいらっしゃるのか明かしていないので、どのような立場で考えられているのか、よくわからない。そこが不明瞭で正直、「誰?」という感覚を抱いてしまうのですが、今の時代、これからの時代は、これまでの時代における考え方をそのまま引き継いでもよろしくない、というのは本書を待たずとも、どうもそのようではあります。「目標を高く持たず」つまり「現実的に」という生き方はそれはそれでリアルなんだろう、と...アタマでは理解することは可能かもしれませんが、言葉にされたものを見てしまうと、どうも受け入れられないところも。「仕事一筋」の高度成長世代と、「自分探し」の新世代とのちょうど中間である自分たちは、どちらも理解できるけれど、どちらも心底理解はできない...という難しい世代なのかもしれません(自分だけかもしれませんが)。個人的には、「前世代」に一票、です。確かに世の中は変わり、努力が外には出ないような(表立って「努力してますっ」って見せない)人が成功したり、労働市場の流動化しかり、「個」の存在感が強くなっていている中で、これまでの(よく言われている)通りに、「しゃかりき」に仕事をする、というのは「旧時代の」ものに見える可能性がありますが、それこそ「本質」を見ていない、ということで、要は努力の仕方が変わってきているだけなのかもしれない。「集約」や「生産性」がもてはやされた時は、一瞬にして淘汰されてきているようで、「やっぱり」人とのつながりや、サービスの「質」というものが言われてきています。これらは「今の仕事の仕方、考え方」あるいは、「考え方の変化」と言われていることが、つまりは 表面的なことであって、本質的には「一所懸命」「努力」というのは(言葉は古くなりますが)変わっていない、ということだと思うんだけどなあ...
言葉、という点でいれば、「ゆるく」というのは好きじゃない、本書の中で著者が言っている「主人公=自分」という考え方、これが言葉としては正しい、というか「中間世代」の自分には一番響きます。
著者は「社会派ブロガー」なので、言葉のプロ。タイトルの「ゆるく」だけに焦点を当てていてはわからないところもありますね。タイトルに惹かれた方は是非中身も読んだ方がよいと思います。「ゆくる考えよう、という本が売れている」という事実だけをとらえていると見誤る可能性も。
世の中がどうなろうとも、変わらない自分を持てばいい。それだけです。「旧世代」だって、「主人公」の生き方をしている人はたくさんいますよ、きっと。

【ことば】人脈が多いことより、本人が魅力的であるほうがよほど意味がある...「自分が知っている人が多い」状態ではなく、「自分を知っている人が多い」状態の方が...

本質です。有名になることが目的ではありませんが、「人脈」ってこういうことですよね。自分の魅力を高める、というのと、自分を知っている人が増える、この好循環が理想的。優先は「魅力」のほうですね。

ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法

1 件のコメント:

  1. 主観論を展開する傾向と独善が強い上に筆者のビジネスのバックグラウンドが弱い為浅い。

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