2011/04/13

「実践」ではない、気がします

減らす技術 The Power of LESS
減らす技術 The Power of LESS
  • 発売日: 2009/08/05
『減らす技術』レオ・バボーダ
[10/75]Library
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆


仕事も、プライベートも、情報やツールの発達によって、「どう(効率的に)処理するか」に目が向けられているけれども、本当に全部やるべきことなんですか?そもそも、「本質的に」やるべきことを限定すれば、もっと充実するじゃん、という内容。邦題の「減らす」というのはそういうフカイ意味なんですね。自分の人生にとって何が大切か、何が今必要なのか、それを見極めたうえで、「やらないこと」を見出す。やるべきことだけに集中する。「やらないこと」は何をもってしてもやらない。それを「習慣化」するための「技術」を説いてくれています。
長期的な視点、社会貢献、そんなキーワードが並びます。わかってはいても実践できていないことばかり。そのためのテクニックなのですが、繰り返し説かれているように、「一度にひとつだけ」というのはシンプルでいいですね。マルチタスク、って「できそう」な感じがしてかっこいいけれども、それこそ「長期的な視点」でみると、帰って遠回りなのかもしれない。シンプルタスク、もっとも大事なタスクを見極めてそれを一日の最初に実行することを「習慣」にする。うん、いいですね。
そして「小さく始める」こと、これは直接的に「習慣」にするための技術ですね。意気込んでなにもかも始めてしまうと結局だめになる時も早い。ジョギングでもなんでも、ゴールを決めて、それを細分化したサブ・ゴールをまずは設定する。うんうん。
書かれていることは、至極もっともだと思うんですが、どうも現実感に乏しい、という印象も、一方であります。「ペーパーレス」が叫ばれていたけれども現実的には紙は増える一方であるように...そこも「技術を使った」習慣化、ということなんでしょうけれども...ただ、「見極める」ことが最も重要だと思っていて、一見「NotToDo」のように見えても今はやっておくべきことがあると思うんです。それを「減らす」ことのリスクもあるわけで。その「見極め」ができるようになるには、「減らすべき無駄」を相応の量、経験することではないかなあって気がします。
そして「本質的なことだけを」という点については、個人的には「人間関係」だと思っているので、「自分にとっては本質的ではないオファーは断ろう」というのも、現実的には困難ではないかと...モノの修復と異なり、ヒトの修復は「不可能」になってしまうことも多々あるわけで。難しい点ですね。まずは「減らす」意識だけをしてみよう。「無駄」はあると思うので。

【ことば】俳句は...17文字だけで自然を詠む...重要なのは「本質に迫ること」だけを選び出すこと

禅の思想を持っている著者らしい引き合い。でも確かに俳句って「制限」されているからこその美しさ、奥深さがあると思う。日本には素晴らしい文化があるんだよね。

減らす技術 The Power of LESS

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