2010/12/07

くるしい...が難解の中にも光は...

悩むチカラ ほんとうのプラス思考 (PHP新書)
悩むチカラ ほんとうのプラス思考 (PHP新書)
  • 発売日: 2005/06/16

『悩むチカラ』伊藤友宣
[5/212]Library
Amazon ★★☆☆☆
K-amazon ★★☆☆☆

悩むチカラ-ほんとうのプラス思考...副題も含めて「今」の自分が引き寄せられるタイトル。図書館の棚で「出会った」が、AMAZONレビューでは「読みにくい」類が並ぶ。はたして...言われるほどの難解さではないものの、著者の真意が伝わってこない、確かに読み解きにくい文章だった。長い。とにかく一つの文章が長いんですね。んで、肝心の「悩むチカラ」がなんであるのか、「ほんとうのプラス思考」をどのように自らの力としていくのか、そこがわからずじまい。もちろん著者自身には、多種多様な人間と接した経験や、哲学的な素養、ご自身の幼少時代のご経験...これらから「悩むチカラ」が、特に現代の日本には欠けている、必要であるということが根底にあるはずなんだけど、大部分の「凶悪犯罪の加害者の心理」などにページを割いていたり、心酔さえている経営者の言葉に寄ってみたり、少し偏っているみたい。そこから「これが結論」というものが見えにくい。犯罪心理については、個人的には相容れないものがあり、教育環境や社会的なそれが一因である、というのはどうも腑に落ちない。そんな環境下であっても自分を見失わない人間が大多数なわけで、どうにもこうにも「本人の責」である、それだけだと考えているので。それはそれとして、「悩」んでいる今の自分にヒントになるものは残念ながら少なかった。1点、直接的には書かれていなかったけれども、「幸せって何?」という、これまた「今の悩み」に対しては、「経済資本」に対する「文化資本」という言葉を以て、「文化資本」すなわち「健全な知情意を堅持し得る」ことが一つの要素である、と捉えた(この解釈が著者の主張と合致しているかは定かではない)。哲学表現で難解だったが「自分のため」と「他者のため」の二つを持つことでその先に進める、というのも「幸せ」の条件だと捉える(「正」「反」「合」の考えかた)。ところどころ、こういう本質的なところは見えたりする。けれども、読み手がそれを「深読み」する必要に迫られるのは、とにかく疲れますわ。
主旨からはまったく外れるが、著者自身の体験をもって「食べ物の好き嫌い」と「他者に対する好き嫌い」が合致する、こんな点もわりと「そうそう」という感覚だったり...これは完全に傍流ですけれども。

悩むチカラ ほんとうのプラス思考 (PHP新書)

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