2010/12/19

表面的な言葉も、表面的な本も...

ワークライフ“アンバランス”の仕事力
ワークライフ“アンバランス”の仕事力
  • 発売日: 2008/11/19

『ワークライフ”アンバランス”の仕事力』田島弓子
[12/219]BookOff
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

「ワークライフバランス」その根本にある考え方、つまり何のために仕事をするのか、それが手段になっていませんか?ホントにそれでいいのか?とか、これ自体にはすごく共感する。が、このフレーズが今ひとつ根付いていないのは、時間的なイメージがつきまとい、「現実的にはサービス残業していて、「バランス」どころじゃねーよ」的な場面が多いから、なのだろうと思う。「時間的に」バランスをとれている人はおそらく、仕事をができない人だろう、大方の場合は。だから「時間」に焦点を当てるのではなく、仮に時間的には「アンバランス」でも、「ワークライフバランス」が取れている人はいるだろう。そしてそれがこの言葉の本質だ、本質のはずである。
個人的にはそういう考えをしてきているし、そうであるべきだと思っていて、本書のタイトルにあるような、(ある意味での)アンバランスはあってしかるべきだと思う。だって、「時間を忘れるほどのめりこむ時期」って、絶対に必要なんだと思う。将来的な何かの為に、というわけではなく、その瞬間、その目の前の「仕事」に集中すること、これ自体がすっごく大事であって、その意味ではその「結果」は「最も大事な」事項ではない。仮に失敗したとしても、その次の成功へのプロセスと考えられ、むしろその結果を出すための時間、集中力、努力、それがチカラになるはず。
実は(こんな自分でもそう考えてしまうくらい)この(タイトルの言葉である)「ワークライフバランス」は捉え方が難しい。故にこの本にはある種「期待」したのであるが、どうも著者自信のかなり深い経験の割にはいまひとつ薄いんだよなあ。考え方には共感できるんだけど、文字にするとどうしてこう軽くなってしまうんだろうなあ。著者が本書を以って伝えたい対象が、「若い人」のようにも思える(明確には書かれていないが)。「若い人」は、この言葉を知らなくていい。時間も何もかも「仕事」に集中すればよい。そんな「オヤジ」の考え方が身にしみてしまったから、書かれた内容にギャップを感じるんだろうか。

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