2010/12/14

「本質」だなあ。さすがです。

大人のための文章教室 (講談社現代新書)
大人のための文章教室 (講談社現代新書)
  • 発売日: 2004/10/19

『大人のための文章教室』清水義範
[9/216]BookOff
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★★☆

ずーっと前、著者の小説を片っ端から読んでいた時期があった。「ひねり」と「知性」が感じられて、一方では「軽い」と捉えられがちだけど、自分にとってもあっていて、読んでいて楽しかった思いがある。いつのまにか「小説」の類を読まなくなって離れてしまったが...
本書は、著者が(特にビジネスマン対象に)「文書の書き方」を教える内容。それも「ひねり」があるし、よくあるハウツーや名文の引用ではない。そこに著者自身の経験則や、「伝える」技術もあって、「軽く」読めるのだけれども、本意がキチンと伝わってくるのはさすが。誰かに読んでもらう、という意志のもとに書かないと上達しない、とか、そもそもまず「読まない」と書けない、とか。楽してテクニックだけをかいつまんで文章が上達するわけはないのであって、やっぱり「引き出し」を多くしておくことが大事だし、著者の「パスティーシュ」と呼ばれる所以はやはり、その(模倣される)作家の文書を、好きでたくさん読んでいる、ということが前提になっている。そりゃそうだわなあ。でもそれをやらないでテクニックで済まそうと思ってしまうことがないか?当然そんな表面的なものは仮に一時的に「あたった」としても、薄っぺらいんだよね。だからこそ著者の書くモノに「知性」を感じて「読みたい」気分になるんだろう。
現状では「書く」ことは生業ではないけれども、この「感想文」にしたって、やっぱり「誰かに読んでもらう」ことを念頭に上達しなけりゃいけないんだよね。そりゃ「うまく」なりたい。伝えたい。引き出しを増やすのとアウトプットすること、改めて考えて、惰性でいかないよう意識します。

大人のための文章教室 (講談社現代新書)

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