2010/12/28

より「折れそう」になってしまう...

『心が折れそうなビジネスマンが読む本』中森勇人
[17/224]BookOff
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

著者自身の体験を元に書かれた本であるので、臨場感、現実感が伝わってくる。「折れそうな」事態にある(と思っていた)タイミングで読むには最適!と思っていたが、どこかで「元気づけてくれる」内容を期待していた。が、本書の内容は、「折れてしまってからどうするか」「折れる直前でどうするか」という方が強くて、まだそこまでいっていない自分を認識。最近よく目にする「うつ」について書かれた本で、著者自身も仕事、家庭での「出来事」をきっかけにして、その病と闘っている、「現役」の人である。それだけに、なんちゃらカウンセラーの書いた本とは違う。もちろん「折れない」ためにどうすべきか、というのが主題ではあるので、多少なりとも参考にはなるけれども、それよりも「なったら怖いわあ」という恐怖感の方が残ってしまった...
「対策」としては、予兆を感じ取って、がんばらない、無理しない、休む、といったことが挙げられているが、 おそらくそれ以外に方法はないんだろうね。でも、そうでない状態で「頑張らない、無理しない」というのも、この世に生を受けて社会に還元すべき「大人」として、疑問がないわけではない。要は「節度、バランス」なんだろうけれども。
 一生懸命、まじめな人ほど陥りやすい...よく言われていることではあるけれども、これだって「じゃあ手を抜くべきなのか」と(極論で)考えると、どうも...ただ、ひとつ明らかに言えるのは、「幸せって何?」という究極の人生観と、気付かないかもしれないけれども周りで支えてくれている人のありがたさ。大事なものだよね。仕事よりも人間関係よりも大事だ。これを見失わなければきっと「バランス」はとれるはず。
 自分もようやく、「大事なもの」に気がついた。もちろん仕事をしていれば、生きていればいろいろある。我慢すべきところ。無理しなきゃいけない場面。でも、自分は何をもって「幸せ」なのか。自分を押し殺すことが「大人」であることなのか(そうじゃないだろう)。ようやく「見えて」きたかも、だ。

心が折れそうなビジネスマンが読む本 (ソフトバンク新書)

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