2010/09/28

読みやすい。さすが「感性マーケティング」


『人間力の科学』小阪裕司②
[18/164]Library
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『文蔵』なる"月間文庫"に連載されていたコラムの集大成版。『文蔵』...知らない。月間文庫なる分野が存在していることも知らなかった...感性マーケティングの著者の本。以前に去年の10月に著者の本は読んだ。それこそ「超有名な」方だけど、意外に前回読んだ本の内容は記憶がない。苦手な「再編集」版ではあるが、読むやすかった。ひとつひとつのコラムがそれほど長くなく短くなく。その辺は「感性」での経験値かもしれない。タイトルから想像はつかなかったけれど、大学教授などの論文と、ビジネス現場の「融合」がひとつのテーマだったように思う。ところどころ著者の「おちゃめな」一面が描かれていたりして、読み物としては面白い。この本には、所謂「答え」がないので、それを期待すると肩透かしかもしれないけど、「なんとなく」のヒントはちりばめられているように思う。「個人レベルの無形資産」や「オリジナリティを生み出す力」などなど。直接的に「じゃあ、今日から」というものは少ないけれど、「意識」を変えるきっかけにはなりそうだ。ここで生まれた意識と実際の場での困難さ、これにいつも戸惑うんだけどね。でもひとつきっかけにしないと、ね。
自己表現するときに、「よく見せる」ことだけでも「卑下する」だけでもダメで、「よく見せる」を60%にすれば好感度アップ!みたいな箇所もあった。学者先生の実験結果らしい。60%にする努力をすることは、なんとなく本末転倒の感じがするけど、「どちらも極端はダメ」というのは感覚的にもわかるし、注意すべきところかもしれない。
ひとつ気にいったフレーズが。これからの時代、「匠」として仕事に向かう態度が不可欠である、と説いている章。「匠」の技=技芸のポイントとしての次の言葉;
「技芸のものづくりでは、製品には『用の美』が求められる」
用の美とは「日々の暮らしに役立つために親切につくられ、よく働き、ながく保つもの」であり、「このようなものにはおのずから美が宿る」
これって特に「製品=物理的なモノ」に限らず、サービスだったり、支援する精神であったり、思う気持ちであったりしてもいいと思う。すなわち、考え方の中心にこれを置くことが大事であって、それは「美」くしいことだということ。ここでも出てきたのは、「人から応援してもらうよりも、人を応援することのほうが楽しい」類の、利他的な考え方。もう、マイブーム。

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