2010/09/19

淡々と...コラム的にはイケてるが。


『あなたは、なぜ「自分に似た人」を探すのか』宮城美幸
[12/158]Library
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★★

一昔まえ(になってしまうのか...)には、「個性」「他人と違うポイント」「私だけ」というのがポイントだったと思う。消費者としての自分でも(まだ)そんな気でいたのだが、もはやそれから時代は流れて「共通性探し」「共感・共有を超えて共振へ」という流れだという。事例として、東京マラソン、東国原知事、日本ハム・ロッテの強さ...をあげている。まったく知らない他人との間で「共通項」を見出して、それが「共振」することで大きな盛り上がりになる、それが政治や社会を動かすことにもなる...という見解である。
非常に「電通」っぽい。個人的に電通さんになんの感情もない(そんな地位レベルではない)のだが、すごく冷静で、包括的で、表面的で、「これで結論」的な、「こっち側な解釈をひとことで言い表したい」、そんなイメージ。確かにそうだよなあ、社会が変わっているなあ、言われてみればそうだね。というのがある一方で、ムリヤリまとめてないのかなあ、あげられた事例はそうだけど違うこともあるでしょ、それは解釈の違いだよねー、ということもあり。まあ、個人的には「今の時代」を総括するような必要もないし、単なるコラムとして読み物として楽しめばいいかな、と。本来はここにまとめられている「社会の動き」からマーケットの変化を捉えて、これからのビジネスの展開を考えていく、ということが理想的なんでしょうけど、そんなことは図書館で借りた本だけで進めるものではないしね。やっぱり「読み物」で十分です。
そういう観点からすると、「共振」というイメージはある程度同意。そしてそこで「共」にしているもの、つまりそのグループを結び付けているものが「薄い」=薄い関係性というのも同意です。故に難しいんだろうね。20年前に学んだ「メディア論」の中にあった、オピニオンリーダーとか、あるいはインフルエンサーとかは最近だけど、これももはや「図式」が変わってきている(突出した一人が発信するケースよりも、発信する複数が互いに振れるケースのほうが...とか)んだろう。何より大事なのは、実践の場で、そういうことを「肌感覚」で捉えられるかどうか、だと思う。「そんな世の中になってきている」という感覚があれば「共振」という言葉を知らなくたって問題ない。



AMAZONで見る

0 件のコメント:

コメントを投稿

Twitter