2010/09/16
過ぎたるは...
『凛とした人、卑しい人』山崎武也
[10/156]Library
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K-amazon ★★★
拝金主義、ご都合主義、自分中心主義にあふれた現代社会。その中で自分はそれに染まっていいのか?「凛とした」人になるためには、自分の「正しい」価値観、判断基準の元、ちっちゃな「正しいこと」を改めて見直して実行していこうよ...というのが主たるテーマ。だと思う。金を必要以上に稼ぐことが幸せなの?媚びる行為をしてまで出世することは本当に大事なことなの?...といったことをひとつひとつ「正しいのはこうすること」と説いていく内容。そのひとつひとつは「正しい」と思う。自分と意見が異なる点はいくつかあったけれども、概ね「そうだよね」的なコラムが多い。だから、なのかもしれないけど、ちょっと「単調」に感じてしまうのと、そこまで「清廉潔白」でいいのか?って思ったりもする(これ自体が「卑しい」のかもしれないけど)。適者生存のセオリーでいえば、「地球温暖化」だった、もしかしたら温暖化に適したものに変化していくかもしれない、なんて結構「コロンブスのたまご」的な主張もあった一方で、若干「昔からの」価値観が根底にあるという印象を受け、周りが変わっていくなかで「適者生存」、時代、世界、環境にあった生き方、考え方も否定できないのかなあっておいう思いもある。「凛とした」の定義も変わってくるかもしれないよね。自分も「古い」部類なので、直接的には否定ではなく、肯定なんだけど、少しだけ違和感もあったりするところも少なくない。
あと、「無料」とか「○○放題」にうかつに乗るな!という主張がなんどかあった。これは確かにそう思う。ただ、その理由が「商人はずるがしこく、だます手法を心得ているから」なんていう直接的な表現であったことは「?」。確かに「マイナス」をするのはあり得ないけど、正当な商いをする人も多い、というか圧倒的に多いだろうし、それに価値観を感じている(価値、ではなくて感覚的なものも含めて)消費者だっている。なによりも「商人」だって、そこから得た金を以て「消費者」になるわけだから、そこを真っ二つに切り分ける必要はないだろう。
という感じでプラスマイナスあり。失礼ながら著者ご自身のことをあまり知らないのだけれども、どんな方なのだろう。「成人君主」ではあるまい。「人間味」ある方だと思うんだけどね。
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