2010/09/09

意外な一面。でも...


『脳はもっと遊んでくれる』茂木健一郎②
[5/151]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

最近見てないけど、まだやってるのかな「アハ体験」でおなじみ、茂木先生の本。脳科学者として「脳」を起点とした本を多く出されていて、前に読んだ本については、「意外な」読みやすさだったことを記憶している。「科学者」にありがちな、専門分野の第一人者にありがちな、「専門性」に偏った書き方ではなく。この本は、週刊誌に連載されていたものをベースにまとめられたもの。買うときに著者で選んでしまったが、自分にとって苦手分野の、「連載まとめ」であった。
つけられたタイトルが、やっぱり「脳」であり、少々「営業的」な気がしないでもない。だって、本の内容は、「脳」というより、「気づき」ベースの著者のエッセーに近い。科学者でありながら(これが偏見なのだけれど)、文章は面白い。実は音楽に造詣が深いことや、野球の話題、幼いころのプロレスの話題。自分とは年齢からしても、ほぼ「同世代」に近いのだが、生きてきた環境はそれほど離れていないことを感じ、親近感を抱く。ところどころに「脳」というキーワードが出てくるが、これはなくても十分通用するんでは?と思った。「脳」というキーワードが著者のアイデンテティを示すのか、はたまた営業戦略なのかわからないけど、「書き手」としても十分「イケる」内容だと感じる。だから逆に「脳」からもっと離れてもよかったのかもしれない。内容的にはおもしろかったもん。まあ、コラムの集大成なので、前後のつながりにかけているところはこの本の評価ではないから。でもやっぱり200ページが細切れで編集されているのは、それを一息に読むのは、けっこうきつい。
研修者、教授という分野ではなく、キャスター(NHKの番組は見たことがないけど)や、テレビ出演、執筆...想像に絶する忙しさ、なんだろうけど、なんとなくそれは自分から言わない(書かない)方がいいのかなあっていう点。確かにその通りなんだけど、「忙しくて...」と書かれるとちょっとヒいてしまう。個人的な感覚なのかもしれないけど。

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