2010/09/04

「硬派」もたまにはいいね


『いい仕事の仕方』江口克彦
[2/148]Library
Amazon ★★★
K-amazon ★★★

「仕事の仕方」についての本をそれなりの数、読んできているが、気がつけば本質を離れて「一部のパートのノウハウ」について書かれている本を選んでいる傾向がある。時間管理とか、ほめ方、とか。本書は松下幸之助さんの元で20年以上直接の指導を受けてきた著者が説く、「仕事とは!」という至言。細かなノウハウがないわけではないけれども、どちらかといえば、「一所懸命、徹底して仕事に取り組みなさい!」という印象をうける。それはそれで、小手先のテクニック的な内容よりも直接的に響くものはある。本の紹介には「仕事の教科書」とあるが、まさに「教科書」という表現がマッチしている。
ここから何を捉え、何を考え、実行していくか。それがポイントなのだろう。仕事に対して真剣に取り組む、自分の能力を上げる、未来から今を見る大局観、確かな信頼と成果、人生の喜びを得るために。考えてみればすべての「ノウハウ本」を読む前の、基本であり前提である。「そんなこと言うまでもないこと」...だろうか?はたして自分に「基本」はあるのか?恥ずかしながら、そんなことを今更ながらに読んで感じた。「今」携わっている仕事、課題、やりたくないこと、押し付けられていることも含めて、これらはすべて未来の自分、自分の人生のためにあるもの。これを避けて通ってどうする!という至極シンプルな、けれども「当たり前」のことを教えてもらったのかもしれない。たまに「原点」に戻らないとだめだね。テクニックに頼ろうとする。「楽」だから。「たのしい」「らく」。これらはけして悪いことではないと思う。「楽しい」と思える仕事をするのがもちろんいい。要は「楽しい」という言葉の概念、深み、ということだろう。
一番響いたのは、これも極めて「当たり前」のことなんだけど、「正しい」ことを熱意と努力をもって誠実に取り組む、という点。著者は、これを「美学」と表現する。
「仕事に対する美学を持つ。仕事を通じて社会に貢献するという意識を持って取り組めば、自然「美学」が生まれる」
と説く。「正し」くすべきは仕事だけではない。自分も人間として「正し」くあるべきなのだ。
シンプル。でも力強いし、指針になるよね。

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