2010/07/28

「熱い」!忘れていたものを見つけた。


『俺は、中小企業のおやじ』鈴木修
[18/121]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

スズキ自動車の会長で今は社長に「復帰」されている。ご高齢でありながらこれほど意欲的な姿勢に驚かされましたね。本書は新刊当時にかなり話題になってました。タイトルの「中小企業」というところのインパクトでしょうかねー。確かに本書の最初から最後まで、「中小企業」という意識から発する「魂」のようなものがみなぎっている。個人的に車を選ぶとき(そうそう機会はないけど)、正直「スズキ」という選択肢は小さいが、軽自動車、或いは小型車でそれなりの「個性」を持ったメーカーだ、というイメージは強い。ヒット商品の「アルト」「ワゴンR」を軸に、GMとの提携のストーリーや、インドでの進出から現在までの話、非常に興味深く読んだ。特に「インド」については、いろいろな運命的なものやタイミングがあったにせよ、根底にあるのは「スズキという(日本国内では)トップクラスのメーカーでなくとも、No.1になれる国はある」という発想が原点にあったようだ。これは、この考え方は素敵だし、それを実行して、形にしている姿は美しい。詳しくは書かれていないけれども、当然にかなりの苦労はあったはず。今の「インドNo.1」として確固たる地位を築いたのはそれなりの「汗」があったのだろう。そしてそれを継続しているのは、さらにすばらしいことだと思う。
本書の主題は、このようなスズキ自動車のストーリーと、社長から会長、そして社長兼任に戻られた著者の考え方、生き方、生きざまを描いている。3兆円企業でありながら「中小企業」スピリッツを忘れずに、チャレンジする姿勢、泥臭く動き続けるスタイル...かっこいいですね。自分は正真正銘の「中小企業」にいながらも、その「魂」が抜けている瞬間があることに気づく。いけないね。80歳になられる著者だけど、まだまだ「中小企業」としての会社を先頭にたって引っ張っていかれている感じが伝わる。一方でご自身も書かれていたが、後継者については頭を悩ませているよう。ある意味「引き際」ということもあるだろうし。そんなアグレッシブな著者が書かれているのでなんとも言えないけれども、スズキの社員の像はまったく見えてこなかった。おそらく「後継者」足りえる人材もいらっしゃるのだろう。そして社長の言葉をハラに落としている方、そうではない方も。外からみたら、いわゆる「ワンマン」に見える会社、その内部はどうなんだろう。TOP率いる方向性に間違いなく進んでいるのでそのフローも確かなものなんだろうなあ。そっちも気になった。

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