2010/07/23

清い...なれるか?近づける!


『メンタリング・マネジメント』福島正伸②
[16/119]Library
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★★

「メンター」...それと思える人と出会ったのは最近のこと。確かにそれ以降は自分が「変化」しているのが実感できる。直接的に何か「指導」されているわけではない。けれども考える、変わる、変える、思う、そんな方向へは進んでいる。しかしながら自分はあくまで「メンティー」であって、自分が「メンター」に、なんていう考えは持っていなかった。少ないけれどもチームを背負っている以上、そういう意識がなければならないのか...という考えを想起させられた本。
自分がこうなってほしい=相手に変わってもらうことを前提とした「指導」から、自分が変わることによって「楽しさ」を伝える「育成」へ。リーダーのあり方が変わってきている、という説。これまではそんな主張に触れるにつれ、「背中を見て育つ、なんて前時代的。今の人たちはある程度の抑えつけも、やっぱり必要なんだ」という結論に至ったケース数多。著者は、「部下は自分を表す鏡」という。つまり部下が仕事が楽しくないのはリーダーが楽しくないから。部下が言うことを聞かないのはリーダーが言うことを聞いてくれないから。確かに。と思う反面、「現実的でないな」という気も実はまだ捨てきれない(これがいけないんだろうけど)。同じく、現実としてリーダーは部下時代に「指導型」で育ってきた経緯があるから、そこから考えを改めなければならない、と説く。時代の趨勢に合わせて変化することは必要だろう。でも変化してはいけないものもあるのでは?とも思う(これがいけないんだろう、やっぱり)。

自立型と依存型、という話が繰り返しでてきた。困っているときに解決策を差し出すのは「やさしさ」かもしれないけど「依存型」を作っているにすぎない。依存型を作り出すのは依存型リーダーであり、その傾向が続けば、自分の考えを押し付ける「指導」にしかならなくなる...わかってはいるんだけどね。

著者の域には達することは並大抵ではないと思うが、近づくことはできる。そう思って少しトライしていきたい。多少なりとも以前から「育成」という意識はなくはない。ただ、それを「我慢」だと思っていた。変わるのは自分である、という意識が少し低かったのかもしれない。今のレベルでは「努力」を要するけど、考えてみれば自分としてもそうなりたい(つまり、尊敬されるということ)気はあるので、日々の行動、言動、考え、まずは意識を以ていこう。

二つ気になるフレーズがあったので書き留めます。

「事業を成功させるのか、事業を成功させる人を育てるのか」
チームビルディングを極意だと思う。この意識、欠けていたかも。

「今日の売上よりも、明日の売上」
仕事に取り組む極意。企業、とくに今自分がいる通販事業はこれが最も大事なこと。明日(以降)につながる行動を取らなければ、今日が終わったらどうなってしまう?これは肝に銘じたいし、それを言葉にして伝えていこう。

まだ自分のレベルが低いので、「しかることは意味がない」とか「自立に任せる」といったことは徹底できるか不安である。著者のレベルはあまりに高い。なのでこの本に書かれていることは「きれいごと」と捉えている自分がまだ少なからず存在するのは確かだ。ただそこは「テクニック」という枝葉なのかもしれない。本質をどう考えるか。そこをまずは意識していこう。

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