『高校生が感動した「論語」』佐久協
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「これほど分かりやすい訳はありません!」結構言われているようです。これまでこれっぽっちも「論語」に触れていない自分としては、これが「他と比較して」わかりやすいかどうかは、不明です。ですが、「論語」って面白いんじゃないかな...っていう感覚にはなりましたね。何よりもこれまでそれなりの数を読んできた、所謂「ビジネス本」=自己啓発、マネジメント等で、「これは!」と思えるようなフレーズが結構見つかります。これは解釈にもよるとは思うけど、その手の本の著者は少なからず「論語」に影響を受けているのかもしれませんね。意識的か無意識かは別として。別の見方をすればつまり紀元前から、「人間」って、「人間の考え」って変わっていないのね、という点かな。成長しないね...なのか、いつの時代も考える人と考えない人は存在する、っていう事実だけ捉えるべきなのか。
著者は高校において論語をずーっと教えてきたそうで。それなりに解釈には「深み」がありますね。表面的に見ると、「曲解では?」と思えちゃうこともあるんだろうけど、30年携わってきた「重み」があります。それはそのまま受け入れることとします。
久々に付箋を片手に読み進めたんだけど、2つだけここに書いておきます。
能く五つの者を天下に行うを仁と為す。
[恭・寛・信・敏・恵]
恭しければ人から侮られず
寛容ならば人望を得られ
誠実であれば人から信用され
敏活だと仕事をこなせ
恵み深ければ、人も骨身を惜しまず働く
徳は孤ならず。必ず鄰あり
孤立を恐れるな。正しいことをしていれば同調者現る
「哲学」という見方よりは、かなり現実主義的なフレーズが多いので、訳者によっては「はまる」可能性は高いんじゃないだろうか。「行動せよ」とか「目先の利益に目がいってどうする!」とか、自己啓発本に出ているのとそうそう変わらない、というかこっちのが「重い」感じはするね。
結構「この世界」に興味を持った自分は、さっそく「次」を考え始めた。「論語」の入門編をなにかもう一冊読んでみたいなあ。
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